事業承継(M&A事例)栃木県栃木市 建設業

 

 

 

 

 

ご高齢による引退と会社の存続をお考えであった社長様ご夫妻が経営されている建設会社(栃木県栃木市)様に、事業承継で多く用いられるM&A(企業の合併・買収)の仲介のお手伝いをさせていただきました。
以下の文章は、その奥様より今回のM&Aについてのご感想をいただきましたので掲載します。(奥様にはご了解をいただきました。)

1.M&Aを志望した動機。 抱えていた課題・悩みとは?

弊社は、栃木市にて業務を行っている創業70年を迎える建設業の会社です。栃木県の建設業格付でもAランクをずっと継続し、直近の年商は、2億円程度の業績でした。これまでは、三代目の社長が就任し、建設業協会の会員としても長年継続して、夫婦二人三脚で時代の荒波も受けながらも、何とか歩んできたという現状でした。
私たちには、娘が3人おりましたが、皆、建設業とは無縁の業種の方々と結婚をし、この先、後継者が身内にはいない状況でした。親戚の甥にも、後継者として、この会社の社長を引き継ぐことを打診したこともありましたが、今の若い方々は、それぞれに夢があり、3Kとも言われるこの業界には、興味を示すことがありませんでした。
社長は、69才になっており、妻である私は、66才になりました。そろそろ引退を考えていたのです。
これまで一生懸命、我々について来てくれた社員たちを裏切ることなく、この先も、この会社の経営を続けていきたいとの思いは、強いものがありました。

2.エルシーアールに依頼しようと思ったきっかけ

エルシーアールさんとの出会いは、5年前になります。
きっかけは、栃木県の指名参加願の提出時に、技術点として加点対象となっている、国土交通省管轄の「建設会社における災害時の事業継続力認定」において、認定を頂くためのシステム構築、いわゆるBCPのコンサルティングを受けたことでした。
その後も、ISO9001の改訂のコンサルティングをエルシーアールさんにお願いしたことで、ご縁は続いていました。定期的に担当営業の方が訪問してくれ、世間話をしているなかで、距離はさらに縮まり、自然と私の口から自分たちの会社には後継者がいないことを打ち明けることに至りました。
担当の方は、親身になって私たち夫婦の悩みや思いをじっくり聞いて下さり、地域とのつながりも深い会社を継続し、社員の雇用も守り、引退する私たち夫婦も安心して老後の生活が出来るための流れを丁寧に教えてくださいました。

それが、今回のM&Aにおいて株式譲渡に至ったきっかけでした。

3.M&Aというコンサルティングの内容

当初は、一昔前に聞いていたハゲタカファンドや、会社を売って社員を路頭に迷わせるというようなイメージばかりが私たちの頭の中にまとわりつきました。
しかし、よく話を聞いてみると、これまで歩んできた会社の歴史を継承し、勿論、社員の雇用も継続し、引退後の私たちの生活は、金銭的にも人生の過ごし方も、充実した内容で送ることが出来ることを示してくれました。
具体的には、私共の会社を引き継ぐ候補先となる会社は、年商や財務的にも安定し、経営者もこれから先が長い若手の方であること等を考慮して、優先順位をつけて数社選んでくださいました。
しかも、この件を開示してもいい候補先を選択するのに、我々の意思を最大限に尊重してくれましたので、安心して候補先を探っていくという意識になっていきました。
また、私が一番感動したことは、会社を譲渡した後の私たち夫婦のライフプランを示してくれ、生活する上での金銭的な不安を払拭してくれたことでした。
社長である夫は、建設業協会の会員としての権利維持のために3年間はこの会社に社長として残りますが、それ以降の収入は、夫婦で国から受給する年金だけになる不安。「株式譲渡、及び退職金の受け取り後、支払わなければならない税金は、一体どれくらいの金額となってしまうのかという不安。「会社を譲ったはいいが、その後、私たちは路頭に迷ってしまうのではないか。」という不安など、様々な思いが私たち夫婦によぎっていました。
そんな中、エルシーアールの担当の方が私たち夫婦の“ライフプラン計画”をつくってくださったのです。会社のすべての株式を譲渡した際に入る金額や夫婦それぞれに役員を退任する際の退職慰労金、その時に発生する税金、その後、残ったお金を年金とともに毎年どれくらい使うことができるかというシミュレーションなどを示してくれたことで、私たちの漠然とした不安が解消されました。不安そのものがなくなることはなくても、それが明確になることで私たち夫婦の心にかかっていたもやが晴れていくような気分になったのです。
さらにその不安を取り除くようなプランとして、手元に残った株式譲渡金を基に、太陽光発電を空き地に建設するというような具体的な提案していただきました。毎年支払う建設費用、また発電によって入る収入、20年後に取り壊した場合の撤去費用までを入れると、どんなライフプランが成り立つのかということも、年系列の中で年を重ねていく私たちの年齢とともに示してくれました。
これらのライプランによって、私たちも安心して会社を譲渡する決心ができました。

4.会社譲渡後の生活の変化は?

夫である社長が3年間は譲渡後も会社に残ることで毎月の役員報酬が保証され、役員の退職慰労金も私と主人に支給される時期が3年の時間差ができ、精神的にも安心することができました。
何よりもうれしかったのは、これまでできなかったことができるようになったことです。この家に嫁いでから30余年に渡って、この建設会社の経営に携わってきました。主な業務は経理と庶務でしたが、従業員からの相談や問い合わせ、また落札した案件に関する役所からの連絡や打合せ業務等、1年間を通して会社を留守にすることがほぼできない現状になりました。もちろん、やりがいでもあり、いきがいでもありましたが、今はずっと憧れていた友人たちとの旅行や、嫁いだ娘のところに訪問しての孫たちとの関わりを持つことが出来るようになり、これまでとはちがった生きがいを感じつつ、開放感にも浸っています。
もちろん、残った従業員たちも、変わらず元気に業務に従事してくれており、譲り受けていただいた会社とはグループ会社関係になって、仕事のやり取りや合同の安全大会などでの交流が盛んに行われています。
創業して70年を迎えるタイミングで、会社を別の建設会社に引き継ぎましたが、これからもこの会社が成長をし続けて、100年企業となることを、陰ながら見守っていきたいと思います。
今回、エルシーアールさんにM&Aの仲介してもらったことで、安心してこの会社の譲渡を進めることができたと思います。