【コラム】組織は変化にもっと対応していかないと生き残れない時代に

 

 

 

 

 

 

2020年、オリンピックイヤーの幕開け

新たな年、2020年の幕が開きました。昨年5月には新元号「令和」がスタートし、想いを新たにした方も多かったことでしょう。今年は待ちに待った”東京2020” オリンピック&パラリンピックも7月から開催されます。世界中のアスリートが私たちに多くの感動を与えてくることを楽しみにしています。私も出来ることなら何らかの形で参加したいですし、子供にもその感動をまぶたに焼き付けてあげたいと思います。

変化の早さについていかないといけない

一方、社会はものすごい勢いで日々「変化」が起きています。昨年まで流行っていたモノがすぐに廃れ、新しいテクノロジ―は誌面やネットを騒がせています。自動運転技術も実用化が進み、医療技術も高度化し治らない病気は減っています。「まだ先のこと」と思っていたAI技術を使った機器も身近な存在となってきました。
そんな私たちも、その変化に対応した生き方・働き方をしていかなければなりません。

ダーウィンの名言

“最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもなく、変化に対応した者が最後に生き残る“

進化論者・ダーウィンが残したとされる名言です。(どうやら本人の言葉ではないらしいですが、ここではダーウィンの言葉としましょう。)
歴史を遡ればその通りと言えます。大きな肉体を持つ強い恐竜は絶滅しました。歴史に名を遺す世界中の賢者や王様たちも、新しい勢力との戦いののちにやがて敗北しました。

富士フィルムの成功は「変化への対応力」

そして変化に対応して生き残った企業として取り上げられることが多いのが「富士フィルム」です。
写真フィルムで優れた技術を持ち、高いシェアをもっていた同社にもフィルムを用いない「デジカメ」の世の中の変化が2000年ごろ本格化してきます。当時の社内には「デジカメは画像が悪いのでフィルムは取って替わられない」「まだまだフィルムで食える」派も多かったようですが、ここで舵(経営の方針)を大きく変えました。それはこれまで培った同社のコア技術を写真フィルム以外に本格的に展開しようというものでした。この舵の切り替えは成功し、今では富士フィルムと言えば化粧品や医薬品・ヘルスケア商品を世界中に提供する企業として定着しました。撤退・倒産が続いたフィルム業界のなかで見事に生き残ったのです。

流行と不易

ここで大切なのは「流行不易」という考え方です。「流行」とはその時々に合わせ変えていくこと、「不易」とはずっと変えないこと、変えてはいけないことです。企業でも、変化しない本質的なもの(コアコンピタンスや脈々と受け継がれる良き企業文化など)を大切にしつつも、新しい変化を必要に合わせて取り入れていくことが生き残っていくために必要となってくるのです。中身(芯)がなく、上っ面だけコロコロ変えていては、生き残ることは難しいでしょう。

どうしても「変われない」組織

組織が生き残るためには変わることが必要なのに、変われない組織があります。
例えば、こんな思考停止状態の組織。
・外部の環境変化を知らない、見ない、見たくない(・・・いわゆる井の中の蛙)
・新しいことを何も学ばない、学ぶ気がない
・過去の成功体験にいつまでもこだわる(・・・考え方が狭くなる)
・失敗が許されない風土
・結果ばかり求められるため、挑戦意欲がない
・逆らうことができない、意見具申できない空気
・社員の諦め

会社が変わるには社員一人ひとりの「変わる」が大切

会社を変えていくには、働く社員一人一人が自分を振り返って「変わらなきゃ」と思い、行動を変えることが不可欠です。「上司の考えが変わらないからなあ」と嘆いていても何も変わりません。上述の「変われない組織」の条件の逆の行動をしてみましょう。
・外部を見ましょう、ニュースにも目を向けましょう。競合を知りましょう。同業だけが競合ではないかもしれません。
・何でもよいから楽しく学びましょう。何故なら知らないことを知ることができるから。嫌な試験もありません。
・失敗は成功の母。たくさん挑戦し失敗しましょう。前進のための失敗なら上司は咎めないはず。
・上司を信じて意見を言いましょう。きっと喜んでくれるはず。
・行動が変化し結果が良くなれば諦め気分などなくなります。

私たち一人ひとりが、早いスピードで変わっていく世の中の変化に対応していくことで、自由で豊かで楽しい人生を送ることができるでしょう。

株式会社エルシーアール 事業推進部 部長 若色 宏幸