【コラム】わたしの考えるおもてなし(社内からお客様へ)第1回 【コラム】わたしの考えるおもてなし(社内からお客様へ)第1回

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【コラム】わたしの考えるおもてなし(社内からお客様へ)第1回

 

 

 

 

 

 

 

第1回 ~おもてなしを受けた経験を活かす~(一生の心の成長の財産となる)

株式会社エルシーアールのパートナー講師をさせて頂いております、篠原優子と申します。今月から心に残るおもてなしについて、3回にわたり私自身がCA時代やこれまでの研修現場で経験したエピソードなどもご紹介しながら、日々感じていることを少し、お話させて頂きたいと思います。

コミュニケーションの質は、人生の質と比例する

ある哲学者は、『コミュニケーションの質は、人生の幸福感の質と比例する』と唱えたと言われています。企業の中の関係性においても、同じことが言えるのではないかと感じます。人間関係が仕事の質や充実感をも左右する。私もコミュニケーションの大切さをアドバイスさせて頂く立場でございますが、日々、同じようなことを感じます。
私も今まで出会った、特に、若手時代に先輩や上司から受けたおもてなしや温かな気遣い、良好な人間関係の中で育てていただいたこと、その時に掛けられ、励まして頂いた言葉やシーンが、今この年齢になっても尚、スランプにこそ思い出され、負けない成長の原動力になっていることもあるからです。

(私の新入時代①):率先垂範の育成と見本がいるという有難さ

おもてなし(接遇)力を磨く上では、スキルだけはない、心の在り方を基盤とした、本物のおもてなしがなければ、感動へは結びつかないと感じます。おもてなしチームは、一朝一夕では、成し得ないということは、その「心」をともなうということが重要になるからだと感じます。
心理学でも、「人は自分のしたことをきちんと覚えてくれる人に好意を抱く」と言われております。身近な人から、日頃から、内から外へ、先輩が後輩へ。まずは、自然におもてなしができるチームづくりが基盤として大切と感じます。感動サービスをしなさいと、口で命令するのは、簡単ですが、まずは、先輩や上司が見本となって、身近なひとから率先垂範で見せていくということは、何より重要です。見本が身近にいるということは、大変有難いことで、時に迷い、スランプに陥るときにも、戻るべき原点に気づかされるということでもあります。そして、私が務めました航空会社でも、CAの見本となるチーフパーサー資格があり、3年間での教育を受けてはおりましたが、人の心は変わりゆくものであり、終わりはないものです。取得後もどんなにキャリを重ねても常に、律して磨く続けることを意識化、また、外からも見える化として、見本としてのパーサーバッジをつけて乗務することが決められていました。会社の理念、志を深く理解し、後輩へ、おもてなしを引き継ぐ見本としての強い使命感がベースにあったと感じます。

(私の新入時代②):受けた気遣いから心の在り方、豊かさを学ぶ

当時のCA時代では、先輩方が、日頃から、常に、クルーが気持ちよくお客様へおもてなしが出来るよう、いつも、小さな気遣いをして下さいました。例えば、ステイ先では、「この間、〇が食べたいと聞いたから、今日のステイ先で美味しいお店を知っているから、予約しておいたわよ。」と月にステイが半分もある生活パターンに寂しさを感じないようステイ先での『楽しさ』をおもてなし下さいました。また、疲れている様子でホテルに戻ると、「今日はゆっくり休んでね。これ、明日の朝食にでもしてね」と飲み物と軽食を買って、部屋まで持ってきて下さり、母親のような『労り』をおもてなし下さいました。失敗をして、落ち込んでいることを他者から聞けば、素敵な用紙を常に携帯しており、自分の連絡用の引出しに、乗務後にお手紙をそっと残してくださり『励まし』のおもてなしを下さいました。寮に帰れば、疲れている中、アナウンスチェックの試験があることを把握してくれており、自分が使っていた資料を部屋の前にそっと置いてくださり、緊張を取り除くような先回りの『優しさ』でおもてなしを下さいました。何千人もいるCAの中でたった一人の出来の悪い新入の私に対しても、分け隔てなく、信じて、心に寄り添って慈しみ、真剣に接して下さいました。いつも「お節介だったらごめんなさいね・・。」と与えることが見返りなしに大好き、お客様へもその延長上として自然に、表裏なくおもてなしされている印象でした。毎日が、え?こんなことまで?と毎日がおもてなしの連続だったなと感じます。今でもその想いは、私の心の根底に温かさとなって生き続いています。人の心の中に、こう、ずっと残っていく心、生き方っていうのが真のおもてなしとして、とても大切なんだなと。今も、離れていてもより、心の絆が強くなっています。今の心の原点でもあり、一歩でも近づけるよう精進の日々です。

相手のためにどんなことが役立てるかな?どうしたら喜んでいただけるかな?と相手の心に寄り添い、おもてなしの心を養うことは、人の心を大きく豊かに成長させると感じます(=他己実現)。これからの新時代は、答えがあるものは、AIが担当する時代となるかもしれません。相手の心の奥底にある真の要望や答えを模索できるのはやはり、人だと思います。お客様や相手に感謝され、喜ばれることは、何より仕事のやりがい、プロとしての楽しさ、自分の人生への幸福感へと繋がり、自律成長へと自然に繋がるのではないでしょうか。まさに、今後、社内外において良い人間関係を繋ぐおもてなし力も備わった社員を育成することは、企業の財産であり、生き残りを許されることへと繋がるのではないか?とも感じます。(つづく)

株式会社 エルシーアール 人づくり講師 篠原 優子

 

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