【コラム】コロナがもたらす本当の怖さ②
心理的リアクタンスによるストレス
大昔から人は集団を作りその中で生きてきたことがそれを証明しています。
現在の状況では、否応なしにフィジカルディスタンスをとる、マスクをして相手の表情が見て取れない、会話をできるだけしない、飲食をするのも気を遣う、そのような状況です。
時には友達や職場の仲間と飲みに行く・・・。これまで当たり前に思っていたことが自分以外の何かによって阻害され続けていることに人は徐々にストレスを大きくしています。これを心理的リアクタンスと言うそうです。
だれでも自分の考えや行動を自分以外に決められたり阻害されたりしたらいい気持ちにはなりませんよね。そしてそもそもコミュニケーションが減ること自体が、実は大きなマイナス要素になってくるのです。
コミュニケーションが持たす3つの効果
人と人とがコミュニケーションをとるということは、互いに自分の言いたいことを聞いてもらい理解しあうということです。人に自分の話を聞いてもらうことがもたらす効果はいくつもありますが、その一つがカタルシス効果です。
自分の話を相手が受け止めてくれた、承認してくれたという安堵感・信頼感により、心が洗われ満たされるのです。
これまでは、誰しも知らず知らずのうちに何気ない会話を通じて自分の心を整えていたのですね。そこへきてコロナを恐怖視する見方が蔓延している今日、感染予防ですから致し方ないとはいえ、その代償はとてつもなく大きいと言えます。
この状況の怖いところは、それに気づいている人が少ないことです。なぜなら人とコミュニケーションを当然のことと認識して、その大切さやもたらされていた素晴らしい効果や恩恵には、誰も自覚はしていないからです。
意識的に人と話をしてみませんか?
現在は皆それぞれが知らず知らずのうちにストレスを溜めているような状態です。ふつうならば日々の何気ない会話で解消していたストレスが、発することなく溜まっていく一方と思って貰えたらわかりやすいでしょう。
ともすれば、すでにストレスを抱えて普段とは異なる言動がみられるようになっている人もいるかもしれません。そういう人にこちらが反応してしまい、「なんだあいつは」とか「距離を置こう」などの行動を安易にしてしまうと関係が悪化する一方でしょう。何か気になるような言動をする人がいたら、その背景を感じとり、矢印を自分に向けて何か自分に起因するようなことがあるかなど、自分を責めない程度に考えると良いかもしれませんね。ほんの少しのワンクッションが自分も相手も助けることにつながっていくように感じます。
自分のためにも相手のためにもちょっとだけ会話を増やしてみませんか?
株式会社 エルシーアール 管理部 課長 福田 典子