【コラム】部下を成功させる方法② 【コラム】部下を成功させる方法②

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【コラム】部下を成功させる方法②

 

 

 

 

 

 

2.部下への期待について

あなたの部下は、成長していますか?

「あなたの部下は、成長していますか?」と質問されると、答えは主に3つになりますね。
①成長している
②少しは成長している
③成長していない

上司であるあなたの答えは、どれですか? 様々な答えがあると思いますが、ほとんどが②か③ではないでしょうか。

では、「何」と比べて成長してる・していない、と判断していますか。

はい、そうです。上司の「期待」です。つまり、上司であるあなたは「期待」しているのに、モチベーションが上がらなかったり、なかなか結果を出してくれなかったりと「うまく成長してくれない…」と悩むわけですよね。

この「期待」、人は日頃から人や物に対して、多くの「期待」をかけています。自分自身に対しても「自分の成長を願い…」、部下に対しても「部下の成長を願い…」というように、自分や相手に対して「~(人)のため」と思って、期待をしていると思います。

しかし、その期待が部下のモチベーションを上げ、成長の促進・目標達成につながることもあれば、逆にモチベーションを下げ、成長の妨げ・目標未達成になることもあるのです。

同じ「期待」なのに、何が違うのでしょうか。

 

正しい期待と間違った期待

それは、同じ「期待」でも、期待のかけ方の違いによって左右されるということです。つまり、正しい期待と間違った期待のかけ方があるのです。

 

2つの例を紹介しましょう。
A.ある日の、営業員の佐藤さんと営業課長の田中さんの会話。
         課長・田中さん「佐藤さん、今期の売上目標は5000万円ね。期待してるから頑張って。
                                           何かあった ら、相談してね。」

  営業・佐藤さん「はい」

B.営業メンバーとして、いつもトップレベルの成果を上げていた伊藤さん。優秀な成績から営業マネージャーに昇格し、部長から「伊藤さん、いつも通り期待してるよ」と一言。

  伊藤さん「はい」

A・Bとも、企業内でよくある光景です。

その後の2人は…

佐藤さんは、目標未達成。伊藤さんも営業力を発揮できなかったのです。もちろん、すべてがこのような結果になるわけではなく、同じ状況でも期待通りに成果を出す人も少なくありません。

 

上司のあなたは、A・Bの会話を読んでどのように感じましたか。自分と同じ、それとも違いますか。「期待」をしていたのに、なぜ目標未達成・力を発揮できずにこのような結果になったのでしょうか。

 

3つの「間違った期待」

期待は、かけ方によって部下の成長を促進することもあれば阻害してしまうこともあります。ここからは、期待外れになりがちな3つの期待をお伝えします。

①自己都合の期待

なぜ、上司は部下に期待をするのでしょうか。

「高い仕事の能力を身につけて、成果を出して(成長して)ほしいから…」というのが一般的でしょうね。そこで、もう少し「なぜ」を掘り下げて、期待をする理由を考えてみてください。

なぜ「成果を出してほしい」のでしょうか。「部下自身の成長を一心に願っている」からですか、それとも「部下の成長で自分の評価が決まる」からですか。後者の意識が強い場合は要注意です。組織ですから、部下の成長は上司の評価要素になるのは当然です。でも自分が部下だったら、前者と後者どっちの考え方の上司の下で働きたいですか。

後者の上司は、「期待してるよ」と声はかけますが、「あとは自分でやってね」というパターンが多いです。こういう上司ですから、部下からは信頼されていないですね。佐藤さんは「(上司は)本当に期待してくれてんの…?」、伊藤さんは「プレッシャーが…」と思っているかもしれませんね。信頼されていない上司からの「期待の言葉」はあまり期待通りにはならないことが多いです。


②ミスマッチによる期待

ミスマッチとは、釣り合わないこと・合わないこと。つまり、上司と部下の求めることに違いがあるということです。例えば、目標が違う(目標数値・職種)・目標が同じでもプロセスが違う、等。

たとえ「部下自身の成長を一心に願っている」上司であっても、上司と部下が違う方向に向かっていたら、期待をかけても期待通りにはならないと思います。そもそもこのミスマッチは、上司と部下がお互いのことを理解していないために起こります。佐藤さんなら「5000万なんか無理だし(4000万円なら)…」、伊藤さんなら「自分はマネージャーより、プレーヤーがいい…」ということを望んでいたかもしれないのです。ぜひ前回号「1.上司であるあなたに一番必要なこと」をお読みいただき、お互いの考え方・違いを共有し、両者が納得できる目標を設定することが大切です。


③あいまいな期待

例えば、「売上目標を達成してほしい」という期待。この期待は、明確な、具体的な期待でしょうか。「売上目標5000万円」にすれば明確でしょうか。ちょっと意地悪な質問をすると、「5000万円を達成すれば、プロセスはどうでもいいのか」ということです。極端なことを言うと、売上を上げるためにお客様をだましてもいいのか、ということです。「お客様をだましてでもいい。5000万円を達成しろ」という期待で部下も納得しているなら、その通り行動し売り上げを上げれば、期待通りになってしまうわけです。

つまり、期待をする上で大切なことは

・成果、目標
・プロセス
・態度、姿勢

を具体的に明確に「ストーリー」化することです。現在から目標達成までの道筋を、上記3点と失敗や困難等の起こりえる事態も想定して、上司部下ともにイメージし共有する。あいまいな期待は、ミスマッチな期待を起こす要因にもなります。

 

正しい期待

「期待」は、部下の成長や成功を導くために必要なことと思います。正しく「期待」をかければ、期待通りになる確率は高くなるのです。「間違った期待」の要素を解消して行くことが、「正しい期待」につながります。人は、日常的・無意識にモノや人に多くの「期待」をしています。期待をかけるなら、相手(部下)にとっても有意義な期待であり、自分(上司)にとっても期待通りになるものでありたいですね(第3回につづく)

株式会社エルシーアール 人づくり講師 金島 浩明

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