【コラム】今だからこそ、社員教育!! その2

5 社員教育の最適な実施時期はいつ!?

社員教育を実施知る際に忘れてはいけないのが、適切な時期を逃さないことです。ここでは、定期的な教育のおすすめ実践例を紹介します。

(1)新入社員
 新卒採用と中途採用とでは内容も異なりますが、会社の理念や目指す方向性、求めることなどをしっかり落とし込むためにも、入社時の社員教育は欠かすことができません。より早くその人が力を発揮し、高いパフォーマンスを発揮するためにも、入社時に共通認識を図りましょう。さらに、1・2年後にフォロー研修なども実施するとさらに不安感を取り除き、生き生きと働くことを支援できるはずです。

(2)昇進前後
 職位が上がる昇進時の社員教育は欠かせません。職位が上がるということは求められる業務やそれに伴う責任も大きくなります。管理職の立場になる人はなおのこと、一人のプレーヤーとして仕事をしていたころとは異なり、マネジメントや部下の育成など仕事は多岐にわたります。

 だからこそ、その役職に求められる資質や能力、スキルなどを明確にする必要があるのです。さらに言うと、昇進するその前から計画的に行うと、社員自身が自分の将来について明確にとらえることができたり、上司と部下とのコミュニケーションツールになったりと、効果が大きくなるでしょう。

(3)定期教育
  業務や役職、社歴などに関わらずに社員全員がアップデートしていかなくてはいけない内容の社員教育もあります。ハラスメントに関するものやパソコンのスキルや労働安全やヘルスケアについてなどが最たるものです。

 また、会社に属する全員が一同に会して学ぶ機会を設けることで、会社の風土や規範を守ったり高めたりすることにつながります。

 定期教育から派生して、階層別の研修を定期的に実施することも非常に有効です。やはり、同じ立場や役職、社歴の人たちは、同様の悩みや問題意識をもっている傾向があります。それをアウトプットしたり、共有したりする機会を設けることで、業務に対する姿勢が前向きになり業務改善にもつながります。

 また、上司とすると、彼らの考えと気持ちを理解する機会にもなり、社員にとっても会社にとってもかなり効果が大きいと考えられます。


6 教育計画を立てるための4つのステップ!?

(1) 社員教育の目的を定義する
 一番初めに考えることは、社員教育という目的や位置づけの定義づけです。なぜ社員教育が必要であるのか、時間とお金をかけて社員教育の先にあるゴールは何であるのかを明確にしましょう。当然ですが、その目的は、経営理念から落とし込む必要があり、整合性をしっかりとりましょう。

(2) 求める社員像を明確化する 
 経営者の求める社員像と現場の責任者の求める社員像とをすり合わせて、会社の経営理念や
ミッションを具現化する自社の求める社員の理想像を具体的かつ明確に設定しましょう。

 この際に、職能体系図を作成することが大切です。単発で行き当たりばったりで社員教育を行っても効果が小さいです。段階や職位、さらには部門ごとにどのようなスキルや知識を求めるのかを整理するとよいでしょう。

 ただ、職能体系図を作成するということはかなりの労力を必要とします。ここで立ち止まってしまっては非常に残念ですので、体系図といかないまでも求めるスキルマップを整理するとよいでしょう。

(3) 現状の課題の整理とカリキュラムの策定
 現状の人材と求めるレベルのギャップを確認するところから、カリキュラムの策定を始めましょう。
営業部であれば、プレゼンテーションやコミュニケーションの力が求められます。大切なことは、その社員が自信をもって生き生きと働き、会社に利益をもたらすという目的を達成することができるレベルにあるかどうかです。

 もしここにギャップがあるとすれば、それを解消するのが社員教育に求められることなのです。
カリキュラムが社員の課題や今後必要になりうる内容と合致していればいるほど、自ずと社員のモチベーションは上がるでしょう。

(4) 社員教育の効果と変化を確認する
 社員教育は実施したからと言って、終わりではありません。基本になりますが、やはりPDCA
サイクルを意識しましょう。そのためにも実施した後の評価が必要であり、受講生にアンケートなどを行い、満足度の評価を行います。

 また、研修を通して学んだことを生かし、行動の変容を目指すような新たな目標や行動プランを立てることも有効です。さらに、その内容を上司も共有することができればさらに意識が高まり、行動変容が望めます。

 管理職をはじめとする上長は、参加した社員だけでなく、組織として変化があったのかという視点をもち、フィードバックしていくことも有効です。

(5) 長期計画と短期計画の2つを用意する
 計画そのものを立てる際には、長期的プランと短期的プランの両者が必要になります。長期プランとは教育体系図そのものになります。入社した社員が数年後にどのような資質・能力を会社として求めているのか、またそれをどのように教育していくのかという長期計画を社員に提示することで、自分のキャリアプランを社員がしっかりもつことにつながります。

 短期プランとは、会社がその期のいつ、だれに、どのような研修を行う予定であるのかという1年の計画です。長期プランと現状の課題などをもとに毎年一年ごとに計画を作り、実施し、次の年にフィードバックしていくことを繰り返すことこそが会社に文化や風土を根付かせることを可能にします。

 

    千葉 和輝(ちば かずき)/ 株式会社エルシーアール 事業推進部 

岩手県盛岡市出身、宇都宮大学教育学部を卒業後、栃木県内の公立の小中学校にて教員として、20年弱、公教育に従事。子供の個性を生かし、自尊感情を高めることを大切にしながら多くの子どもたちの成長に携わってきた。
サッカーや陸上競技などのスポーツコーチとしてもスキルを磨き、全国大会へ選手を輩出するなど、社会教育の分野においても指導力を発揮している。また、心理学にも興味を広げ、現在、公認心理士を取得にむけて猛勉強中。これまでの経験で磨いた多面的かつ多角的な分析力と実践力を新しいフィールドで発揮している

 

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