【コラム】今だからこそ、社員教育!! その3

7 具体的にどのように行えばいいの!?自社で実施?外部に頼む? 

 では、具体的に研修をどのように実施していくのかということになります。大きく分けて、社内の社員を講師とするのか外部に講師をお願いするのかの2つになります。

(1) 自社の社員を講師とする場合
〇メリット
  講師がベテラン社員であれ若手社員であれ、自社の社員が講師となれば、気心知れた仲間同士の学びであるため、和やかに落ち着いて研修に取り組むことができます。

 外部で学んできたことを伝達したり、自社の課題を持ち寄りながら学んだりするパターンなどが考えられます。背伸びせず等身大の学びを実践することができことが最大のメリットでしょう。また、費用という面でも、社内でまかなう場合はメリットになりますね。

〇デメリット
 前述のメリットでふれた和やかで落ち着いた学びは、適度な緊張感という意味では弱点にもなりうります。日常の業務の延長線上での実施となると、どうしても「なあなあ」になってしまいがちです。

 また、どの業種・業界でも、内〃にこもることが多くなると世間が狭くなりがちです。自社にとっての当たり前は往々にして他者から見ると違和感があるものです。外部の新しい風や考えをもたらすという意味では、外部の講師を招くことのほうこう効果が大きいと言えるでしょう。

(2)外部に講師をお願いする場合
    〇メリット
 最大のメリットは、プロにお願いするということです。費用をかけた分だけの効果を望めるといってもよいでしょう。それぞれの分野の最新の考えやスキル、思考方法などその道のプロたちだからこそ、伝えられるのです。当然、外部の先生が行う研修ですから、重厚性は適度な緊張感をもって研修に臨むでしょう。

 また、社員教育という機会を外部からの新しい風を吹き込むことができることも見逃せません。どんなに優れた集団であっても、ずっと同じ組織の中で変化のない中にいては、惰性になってしまうものです。より感覚を鋭く保つ意味でも、外部の違った視点を取り入れることでさらに幅や深み、そして自分たちの考え方がより強化されたり、改善されたりするのです。

〇デメリット
 なんといっても費用がかかることです。当然ですが、外部の社員教育などを行っている会社などにお願いするので、人件費がかかります。また、講師の先生との日程調整など、外部との関わることで、業務が増えてしまうことは否めません。


8 陥りがちな落とし穴とは!?

(1)パターンA「業務に追われて、研修が実施できない」
 一番大きな障害となるのが、「目の前の業務を意識しすぎて、社員研修を実施できない」「社員研修はやりたいが、時間が取れない」という悩ましい考えです。

 どの会社でも利益を追求しています。目の前に業務があり、お客様もいます。経営者にても人事担当者にしても、同様の名山はお持ちだと思います。しかし、この壁を乗り越えなければ社員研修はいつまでも実施できないでしょう。できたとしても単発の外部に社員を行かせるにとどまるのが関の山ではないでしょうか。

 それはどの会社も同じです。同業のライバル会社もそうでしょう。社員研修を実施しようするか否かで会社の未来は大きく変わると言ってもいいでしょう。少しオーバーに聞こえるかもしれませんが、想像してみてください。目の前の業務に追われるだけの会社なのか、しっかり社員と未来に投資をする会社なのか、社員目線でもお客様目線でも、その差は歴然です。
 経営者を筆頭に、「覚悟を決められるかどうか」とも言えるかもしれませんね。

(2)パターンB「やりっぱなしの研修」

 せっかく時間をかけて行った研修でも、ただやるだけで終わってしまう残念なパターンがあります。インプットしたことはやはりアウトプットしてこそ強化されます。

 また、普段の業務を行う上で、どれくらい意識できるかも大切になります。ですから、学んだことを普段の業務において、いつ、どこに、どのように生かすかなどまで落とし込むことが必要になるのです。

 さらに、学んだことや今後の展望について上司と共有するとともに、期間をおいてフィードバックすることが重要です。

 研修の成果物がコミュニケーションツールにもなります。よく上司の方々が部下のマネジメントについて悩まれています。しかし、からくりはいたってシンプルです。その社員のありのままをよく見て、そして話を聴くことです。研修の前後でどんな変化がるのか、ないとすればそれはなぜか、上司が部下を気にかけるのです。

 やりっぱなしの研修の根本には、上司の部下への無関心さがあり、それを部下が感じるからこそ溝が生まれ、研修にも価値を見出せなくなるのです。

(3)パターンC「受講生の態度が受け身になっている」
 やはり参加者である社員の方の姿勢は重要です。社員研修の目的を社員が理解していない場合や研修内容と参加者の気持ちに開きがある場合などが最たるものですが、嫌々参加者が受講していては、効果は半減です。

 経営者などの研修の企画者の自己満足に留まり、せっかく時間を割いて実施した研修の効果はあまり望めません。
このパターンの原因の一つとして、カリキュラムの内容と参加者の気持ちにギャップがありすぎることが挙げられます。これを解決するためには、上司と部下や実施者と参加者との普段のコミュニケーションが大切になります。

 今現在、どんな課題意識を持っているのか、どこに不具合を感じているのかを共有することできていれば、研修にその内容を落とし込むことができます。それを繰り返すことで、参加者である社員一人一人が、自社が行う研修自体に価値を見出し、自ずと意欲的に参加することを可能にします。

 

     千葉 和輝(ちば かずき)/ 株式会社エルシーアール 事業推進部 

岩手県盛岡市出身、宇都宮大学教育学部を卒業後、栃木県内の公立の小中学校にて教員として、20年弱、公教育に従事。子供の個性を生かし、自尊感情を高めることを大切にしながら多くの子どもたちの成長に携わってきた。
サッカーや陸上競技などのスポーツコーチとしてもスキルを磨き、全国大会へ選手を輩出するなど、社会教育の分野においても指導力を発揮している。また、心理学にも興味を広げ、現在、公認心理士を取得にむけて猛勉強中。これまでの経験で磨いた多面的かつ多角的な分析力と実践力を新しいフィールドで発揮している

 

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