【コラム】聞き上手はコミュニケーション上手

 

 

 

 

 

 

 

新しい1年がスタートし、年度締めの企業様などは来年度の様々な計画づくりに取り組んでおられることと思います。総務・人事部では、来期の社員教育を立案していることも多いためか、県内の会社を回っていますと、最近の社員についての話をよく聞きます。
特に話題になるのが「コミュニケーション」についてです。上司や先輩社員が今の若い社員に対してどのように接していけばよいか悩まれていることがうかがえます。反対に、若手社員からしても、先輩社員の方々へどのように接するべきなのか悩んでいる実態もあるでしょう。

人は聞いているようで聞いてない!

では、どうしてコミュニケーションギャップが生まれるのでしょうか。子どもならいざ知らず、様々な経験をしている大人が、そして互いにコミュニケーションをとろうとしているにも関わらず、どうもうまくいかないのはなぜなのか・・・。
これは人間の本質的な欲求が関係していると私は思っています。人は誰だって、自分が正しいと思っているし、自分を基準に考えます。どんなに相手を思いやる人だって、相手の価値観を基に考えたり、判断したりすることはないのではないでしょう。
具体的に言うと、相手の話を真っ白な気持ちで聞くことが難しいということです。一人一人の価値観もそれを培った背景も違うのですから、当然といえば当然ですよね。もちろん、これは親子であってもそうでしょう。
ですから、日々職場でも家庭もでも当たり前のように話したり聞いたりして相手のことをわかっている気持ちになることもありますが、そこにはおそらくギャップがあると思われます。

聴くことが生む効果

では、どうやったらそのギャップであるみぞを埋め、良好な人間関係を築くことができるのか・・・。それは、相手の話を「謙虚に聴く」ことではないかと私は考えています。
「聴く」という行為の価値は、非常に大きいです。一方が聴いているのであれば、当たり前ですが一方は話しているわけです。人が相手に話をして、それを聞いてもらうということにはいくつかの効果があります。有名なものとして「カタルシス効果」、いわゆる浄化作用です。自分の思いを言葉にすることで心が洗われすっきりとするのです。
心以外でもよい効果が生まれています。みなさんも、相手に話をしているうちにばらばらだった自分の考えが整ったり、新しい気づきが生まれたりする経験をしたことがありませんか?これをオートクラインといいます。自分の口から出た音声を自分の耳で聞くことで、自分の考えが自然と整理されるのです。
そして何より、相手が自分の話を聞いてくれたという事実は結果として安心感や親しみをもたらします。「この人は自分のことを受け入れてくる」という思いは、前述とは別の人が本来持つ欲求を見せることになります。それは「人は誰でも相手の好意には好意で返そうとする」ことです。

変えられるのは自分

どの場面でもコミュニケーションをとるときに、どうしても自分の思い通りにしたいということになりがちです。そのため、知らず知らずに相手の話を遮り、自分の話をしてしまうのです。「いや、でも、そうじゃなくて・・・」私も含めて誰しもが経験していることではないかと思います。
では、どうやったらその意識が変わり、相手の言葉に素直に耳を傾けられるのか。それは「自分と相手はちがう」ということを深く理解することです。相手が自分と異なることを考えるには「何かがある」のです。その背景を聴くことがスタートなのではないかと思っています。
人それぞれのモノサシがある以上相手を変えることは難しいです。力づくにその場で説き伏せたとしても、長い目で見るとおそらく上手くいかないでしょう。
しかし、自分なら変えられます。自分が変われば相手の自分への考えや関係も変わっていくはずです。
ぜひ、ご自身の話の聞き方を振りかえってみてはいかがでしょうか?

株式会社エルシーアール 事業推進部 千葉 和輝