【コラム】日本人らしさを最大限に生かす!

 

 

 

 

 

 

 

コロナウイルスの国内罹患者が13,000人を超えました。もちろん、検査を受けていないだけで、実際はもっと数多くの人が罹患していることが考えられます。その中には受けたくても受けられない人がたくさんいるのだろうと思います。
政府も条件付きの30万円の給付を取りやめ、国民へ一律10万円の支給ということになりました。今後どのように推移していくのでしょうか。

早く大きな判断は苦手?

さて、安倍首相や政府などのコロナウイルスへの対応が「遅い」「中途半端」など多方面から批判されています。みなさんはどうお考えですか?私がここで触れたいのは、このような危機的な状況で「速く」「強制力」のある判断・決断はおそらく日本人は苦手なのだということです。もちろん、私も今回の政府の動向にはもっと異なる選択肢があったのではないかと考えている人の一人です。国連やJICAなどで活躍された緒方貞子さんも著書の中で日本国内の行動のスピード感や問題意識のあり方などが国際社会と大きな隔たりがあると一再ならず感じていたと記しています。
ただ、自分に置き換えたときはどうかと問い直すと、たぶん難しいように思います。現に企業でも行政でも、似たような場面を見ませんか?「もう少し様子を見よう」「周りはどのような判断をしている」「その都度判断をしていこう」これらの考えはあくまで考え方の一つです。状況によっては最適な判断にもなります。しかし、今回のコロナウイスルのような状況ではどうかというと、結局ははっきりしない判断となってしまい、後手に回ってしまうのだと思います。

国民性がもたらす長所と短所

おそらく、日本人はこのような有事の際に、前例のない、多少血が流れるような決断は不得意なのでしょう。なぜなら「和」を重んじるからです。誰の顔もたつように相手を思いやるように教え込まれているか日本人が一部の批判を覚悟して英断することは相当難しいのです。なにせ、自分の考えを発信するよりも、相手の気持ちを推し量るように育ってきているのですから。
現に学校で習う国語の授業は、いまだに文章の読解に偏っています。海外でも文章の読解も取り上げていますが、それよりも自分の考えの発信として、文章を書いていたりディベートをしたりすることに重きを置いて指導しています。

もちろん判断力・決断力を含めた国民性において、欧米が優れていて、日本が劣っているということではありません。長所と短所は裏表ですからね。
例えばCAさんの例を挙げます。日本の航空業界のキャビンアテンダントのサービスは痒いところまで手が届く、非常に細やかな心遣いのもと質が高いと評価されています。
対して海外の航空会社はどうかというと、サービス精神が不十分で日本のCAほどではないという言葉も耳にします。
しかし、何かトラブルが起きたときはこの評価がひっくり返るそうです。マニュアルにない想定外の出来事が起きたときに、海外のCAは臨機応変かつ迅速に対応するのに対して、日本人は対応が遅れてしまうことがあるそうです。(もちろん、個人差企業差もあるでしょうけど・・・。)
今の状況に類似していると思いませんか?

日本人らしさを生かして

先ほど申し上げた通り、どちらかが優れていてどちらかが劣っているという話をしているのではありません。重要なことはそれらを理解して行動していくことです。
日本人的な「誰のことも思いやる」ことは平時のときにこそ発揮する力です。この状況下では、100点満点の答えなど存在しません。経済を取るのか健康や安心を取るのか。どちらも大切にしなければいけないことは誰もわかっています。ただ、5分5分はありえないのではないでしょうか。答えは無数にあります。選んだものが答えだと信じるしかないのです。
明確に方向性を打ち出し、そのうえで考えられる不具合や困る人たちを救済したり安心させたりする手立てを出していく。そしてその判断は速くすることです。「次の情報はいつなのか」「自分たちはどうなってしまうのか」という状況で待たされる人の気持ちはつらくそして不満と不信へと変わっていくものです。
日本人は思慮深くそして相手を思いやれる気持ちをもっています。こういう非常時であっても暴動など起きずにルールを守れる素晴らしい国民性をもっています。だからこそ、その良さを信じて、まずは明確に方針を打ち出し、その意図を理解してもらうように最大限努力し、皆で協力していこうという道筋を示すことが求められているのではないでしょうか。そうすれば勤勉で思いやりを持つ努力家の日本人です。この困難も乗り越えられるのではないでしょうか。
批判を恐れず、自分たちのビジョンを明確に打ち出すことが必要だと思います。

株式会社エルシーアール 事業推進部 千葉 和輝