【コラム】部下のやる気を高める人と削ぐ人のちがい

 

 

 

 

 

 

緊急事態宣言が全都道府県において解除となり、少しずつ日常が戻りつつあることが世間から伺えます。栃木県でも出勤時の渋滞がまた目立つようになってきたように感じていますが、皆様の周りではいかがでしょうか。

 

さて、今回は部下のモチベーションを高める方法について一緒に考えていきたいと考えています。最近よく、「ゆとり世代はどう接していいかわからない」「ちょっと注意しただけで、辞められるのではないかと思ってしまい叱ることができない」などど、若い社員への接し方に困り感を持っているという話をよく耳にします。

もちろん、今の若い人の特性も考えなくてはいけないし、実際その世代特有の傾向はあります。ただ、問題は後輩たちだけにあるのでしょうか。よく組織は上司で決まるとも言います。そこで上司どのようにアプローチすればよいのかを具体的に検証していきましょう。

 

よくやりがちな間違った方法として2つ挙げられます。ひとつめは、「説き伏せる」ことです。後輩たちよりも様々な成功体験・失敗体験をしている先輩たちからみれば、若い後輩たちを歯がゆく思うことは多々あるはずです。内心、答えを言いたくなってしまうこともありますよね。

 

ただ、ここで、若い社員の考えに対して、たとえ良かれと思っていたとしても自分の考えを押し付けてしまうとどうでしょう。相手からすれば否定されたと思うかもしれません。それを繰り返していると、最悪主体的に行動するどころか指示待ちの行動にもなるでしょう。人間だれしも自分が考えたことではなく、相手から言われたことをやっている時に、高いモチベーションを維持することが難しいです。皆さんが過去に失敗してきたように、彼らにも失敗をする経験が必要だし、権利があるのです。

 

もう一つの例として「あきらめる」ことが挙げられます。「もう知らない」「好きにすればよい」などと投げやりに突き放したりしていませんか?そういう気持ちは雰囲気として相手に伝わるものです。人は期待されるとその期待に応えようとするものです。昭和の頃、突き放すことであえて厳しい状況に追い込むことで成長を促すと考える人もいました。しかしそれは間違いであると最近の脳科学や心理学では言われています。人に拒絶されたり、突き放されたりしてよい思いは生まれません。では、なぜそういった昔の幻想が信じられているのか、それは今と昔の子どもの育ちの違いにありますが、それはまた別の機会で触れることにしましょう。

 

では、どのように若手社員に接すればよいのでしょうか。「可能性を与える」ことです。「このやり方ならできそうだ」「これならチャレンジしてみたい」というように、後輩たちがやろうとしていること、もしくは困難さを感じていることに対して、彼ら自身が可能性を感じるようにもしくは前向きにとらえられるようなものの言い方を意識してみてください。あくまで主体は目の前の部下であり後輩です。後輩思いの人ほどついつい口を出してあげたくなるものだと思います。思い入れがあるからこそでしょう。親がわが子に口酸っぱく言いたくなる心情と同じでしょうか。

 

だからこそ思い出してみてください。いろいろ口を出されてやる気が出た経験がありますか?おそらくないのではないでしょうか。それよりも「君ならできるよ」と任せられ、信頼された方がずっとやる気になるのではないでしょうか。もちろん、放任しすぎもいけません。彼らが困っているなと感じたときに声を掛けるのです。日ごろからコミュニケーションを取っていると肌感覚でわかるものです。もちろん、日ごろから関係性が構築されていれば、後輩は自ずとアドバイスを求めてくるはずです。同じアドバイスでも求められたものと押し付けたものでは同じ内容でも雲泥の差が生まれます。

 

その時のアドバイスも方向を示したり、過去の事例を挙げたり、もしくは「自分ならこうするかな」というような断定せず、彼ら自身で選択しそして自ら可能性を感じるものの言い方が求められます。技術的にはまさにコーチングの部類です。

 

そうすれば、彼らは自らの力で課題に向き合い、やりきった経験を手にすることができます。そこには達成感もあり上手くいかなくてもその悔しさがまた次なるパワーの源になるのではないでしょうか。なぜなら誰にやらされたものでもなく、自らの行動だからです。そしてそれを支えた皆さん先輩たちのアドバイスや先輩たちの存在に感謝の気持ちを持つはずです。

 

「説き伏せる」・「あきらめる」も根底にあるのは自分の価値観や考えが正しいというおごりだと私は思います。誰もが自分が正しいと思っていることから考えても、自分とは異なる立場や考えの人を尊重し、素直に受け入れる姿勢がまずは求められるのかもしれないですね。そうすればきっと相手の思いを成就できる「可能性を与える」効果的なアドバイスをできるかもしれません。それ以上に、親身に一緒になって考えてくれているというその事実が部下から上司への大きな信頼につながるのではないでしょうか。

株式会社エルシーアール 事業推進部 千葉 和輝