はじめに
近年、大手企業に限らず中小企業においてもサプライチェーン全体でのCSR(企業の社会的責任)やコンプライアンスを重視する傾向がより強まっています。社会的にもコンプライアンス違反ともとれる事件・事案も増えています。それに伴い、「社内で定期的なコンプライアンス研修を実施しているか」が、新規取引や既存取引継続の条件となるケースが増えています。
研修実施の背景:取引条件としての「コンプライアンス体制」と現場管理の強化
本研修のご相談をいただいた背景には、市場環境と顧客ニーズの明確な変化があります。大手取引先から、コンプライアンス体制の整備と継続的な社員教育の実施状況についての開示が求められているとのことでした。「研修をやっている」ことを示すこと以上に、現場のリーダー層が日頃の業務の中で実効性の高いリスク管理を行える体制を作り、継続的な改善につなげたいとの要望がありました。
コンプライアンスの範囲の拡大と違反した後の影響・被る被害
これまで、コンプライアンスと言えば「法令遵守」と解されることが多かったのですが、昨今ではその範囲は広がり「社会規範・社会倫理の遵守」にまで拡大しています。
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もし企業がコンプライアンス違反を起こすと、様々な影響と被害を被ることになります。大きく5種類に分けることができます。
・刑事的制裁(逮捕、拘束、罰金、懲役 など)
・行政的制裁(課徴金、業務停止命令、許可取消し、指名停止など)
・民事的制裁(訴訟、損害賠償請求、慰謝料、履行の強制など)
・自律的制裁(懲戒処分、再発防止策の取組みなど)
・社会的制裁(誹謗中傷、信用失墜、不買運動、名誉毀損、差別など)
これらの影響は企業活動においては大きな痛手となり、取り返しのつかない事態に発展してしまう場合があることをまずは理解してもらいました。
大手企業のケーススタディ(事例研究)
本研修では製造業における品質データ改ざん等の実例を題材に、「なぜ防止・発見が遅れたのか」「自社の工程に同様の潜伏リスクはないか」を多角的に検証しました。
グループディスカッションの中では、黒ではないが灰色に近い事例があることは意見として出てきました(多くの企業では多かれ少なかれ「灰色」は存在しているのではないでしょうか。)
ハラスメント防止と内部通報の活用
パワハラ防止法が2020年に施行されました(中小企業は2022年から)。社歴の長い企業ではまだまだハラスメント行為ギリギリのマネジメントが現場で行われているようです。今回の企業様でもQCD(品質、コスト、納期)を追い求めるあまり、現場での強い口調での命令は時折あるようでした。この研修では「パワハラ言動と業務指示の違い」を伝え、その違いを正しく理解すれば「パワハラを恐れて強く言えない」という状況にはならないことも学んでもらいました。
近年ではパワハラだけではなくモラハラ、カスハラなど、その対象は広がっています。人口減少時代に入り従業員確保が企業活動を維持する上での位置づけが上がっている昨今、従業員を守るためにもハラスメントに最大限留意した活動が必要になってきます。
受講者の反応
受講者からは、自部署の管理体制に直結した意識の高い姿勢が見られました。ディスカッションでは、「現在の作業手順やチェック体制で形骸化している部分はないか」「現場のコミュニケーションにおいて、部下の声を拾い上げられているか」といった、実効性を意識した議論が展開されました。取引先からの信頼維持というビジネス上の重要性と、自部署を守る管理者としての役割を同時に再確認する機会となったようです。
今後の展望
エルシーアールでは、組織の信頼性向上と持続的な現場改善のために必要な人材育成研修を広く行っています。
コンプライアンスの遵守は、一度の研修で終わるものではなく、日々の現場運用に根付かせていくことが不可欠です。現場での定期的なチェックリスト活用や一般社員層への教育の展開など、組織全体での取り組みを継続していくことをご提案していますので、ご相談ください。
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