貸切バス事業者安全性評価認定制度コンサルティング 実施事例 キャリー交通株式会社 栃木県宇都宮市
・コンサルティング内容:貸切バス事業者安全性評価認定制度(セーフティバス) 一つ星申請
・お客様:キャリー交通株式会社
・コンサルティング訪問回数:全5回
・営業所:2か所、運転者:26名(申請当時)
今回、貸切バス事業者安全性評価認定制度(通称、セーフティバス)の認証取得コンサルティングのお手伝いをさせていただいたキャリー交通様は、栃木県宇都宮市で貸切バス事業を展開されています。“CARRY EXPRESS”の文字がとても目立つ車両で有名です。
キャリー交通様は旅行の送迎だけでなく、企業や学校の送迎バスとしても広く活躍されている企業です。
差別化のためにセーフティバスは必要
八下田達哉社長は、「関越自動車道事故(2012年)や軽井沢スキーバス事故(2016年)の大きな事故が契機となった。バス料金が安いだけでは仕事はいただけない。これからの時代、貸切バス事業者が生き残っていくためには、会社としての安全管理レベルを一層上げ、利用されるお客様からの安全性に対する信頼を得ることが必須になる」「そのためにも、国の認証制度(セーフティバス制度)を高いレベルで維持できる会社にならなければならない」と、差別化を目的にこの制度を取得しようという意思を持たれました。
裏方としての作成補助とアドバイス
このセーフティバス制度は第三者(例えばコンサルタント会社)による作成は規則により禁止されています。そこでエルシーアールではあくまでも裏方役として、申請書類等の作成補助と提言(アドバイス)を中心としたコンサルティングを行いました。
100種類以上にも及ぶ資料・帳票類
申請書類に必要な帳票類やデータは約100種類にも及びます。大きく「法令遵守事項」と加点のための「上位事項」に分けられます。
法令遵守事項は日々守られていて当然ですので1点でも不足があると認証されません。キャリー交通様では管理帳票類が正しく記入・保管されていましたので、必要な帳票のコピーを用意してもらいました。
また運転者教育はバス事故の予防策として法的にも実施が義務付けされています。必要な運転者教育がもれなく実施されているかも帳票を確認しました。
このセーフティバス制度は、「上位事項」が実施されていないと加点になりません。
そのためには投資も必要になります。バスの安全性能を上げるドライブレコーダー、デジタルタコグラフの装着率の向上や、高性能のアルコールチェッカー導入が高得点には必要です。外部機関を活用した講習の受講も必要となってきます。出来る範囲での投資をしていただけるようなアドバイスもしました。
運輸安全マネジメントの実施状況確認
運輸安全マネジメントについても、国土交通省からの通達を始め取り組むべき事項が定められており、それらが実施されているかを確認していきました。一部、社内掲示や運転者への周知が不足していることがありましたので、周知するよう促すなどアドバイスしました。
申請から一つ星認定獲得まで
コンサルティングは計5回訪問し、必要な100種類におよぶ申請資料をそろえて提出し、その後、審査を待ちました。
一度、審査にあたる貸切バス事業者安全性評価認定委員会から書類審査への質問状が届き、8月に現地審査が行われました。
審査結果ですが、一つ星に必要な60点以上を獲得しました。「一つ星獲得」の通知がキャリー交通様に9月に届きました。同時に貸切バス事業者安全性評価認定制度のホームページにて公表されています。
ロゴを車両に貼って今日も安全運行
キャリー交通様ではセーフティバスのロゴマーク通称「ハートマーク」を車両に貼り、その貸切バス運行の安全性を広く示しながら、「安全」を最優先した運行を日々行っています。
次なるステップアップを目指す
八下田社長からは「自社でおこなってきた安全重視の事業活動が間違っていなかったことが証明された。2年後の二つ星へのステップアップの際にも協力してほしい」との要望をいただきました。