とちぎHACCP認証取得コンサルティング 実施事例 菓子製造業 栃木県県南
・コンサルティング内容:とちぎHACCP
・コンサルティング人数:10名(HACCPチーム+α)
とちぎHACCP取得で食品の食品安全をアピールしたい
栃木県南で人気の洋菓子を製造している企業様より、とちぎHACCP取得のためのサポート依頼を受け、エルシーアールにてコンサルティングを行い、無事「とちぎHACCP(正式名「栃木県食品自主衛生管理認証制度」)を取得された事例を紹介します。
この企業様は認証取得の目的を3つ掲げていました。
1. HACCP法制化への対応
2. HACCP認証を取得することによるビジネスチャンスの拡大
3. 従業員の食品安全に対する意識の向上と行動の変化
とちぎHACCPは優れた食品安全のシステム
「とちぎHACCPって構成が簡単で対外的なアピール力って弱いのではないか?」といった質問を受けることがあります。都道府県など地方で進めているHACCPは軽い印象を持っている方が多いようです。でも答えは「No」です。とちぎHACCPは食品の国際規格CODEXに沿って制度が構成されており、対外的にもしっかりアピールできる認証制度といえます。また現地審査の場では県の保健所が応援団的立場で直接の指導も受けることができます。
食品安全は「風通しのよい職場風土」が土台
食品安全のために一番大切なことは製造現場における日々の衛生管理体制がしっかりしていることが大切で、手洗い、機具類の洗浄をはじめ、決められたルールを守ることが食品安全の基本になります。これらは5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)または7S(加えて消毒・殺菌)がしっかりしていることも重要な要素です。
さらには、5S7Sを従業員が遵守するのに不可欠なのは「風通しのよい職場風土」ではないでしょうか。職場の風通しが悪かったり、雰囲気が悪ければ働く人はおのずとルールを守らなくなるものです。
HACCP認証は、
風通しのよい職場の風土が土台にあり、
5S7Sの意識が醸成され
その上に、HACCP手法や一般的衛生管理が定められ、
最後にHACCP認証が取得できる
ものでなければなりません。文書類を数多くそろえることも認証には必要なことですが、食品事故を起こさないためにはその土台に「風通しの良い風土」があることを忘れてはいけません。
衛生管理を重視した研修形式でのコンサルティング
今回の菓子製造業様にはとちぎHACCPで求められている規程や文書類をそろえることだけではなく、食品安全の意識を向上にも力点を置きました。HACCPメンバーのほかにも衛生管理に関する意識の高いメンバーが参加し研修形式でコンサルティングを行いました。ディスカッションでは、どのようにすれば従業員がルールを守るか、風土をよくしていくためには何が必要か?などが議論されました。
当初は、ついその日の生産量を達成すればよいという風土を感じていましたが、時間が経つにつれて衛生管理ルールを守る意識が向上したように感じました。
成果物
成果物として以下の規程・帳票類を整理することができ、新入社員の教科書としても継承されていくことと思います。
「共通基準(HACCPに関すること)」
・施設図面(ゾーニング)
・製品説明書
・製造工程図
・危害分析シート(重要管理点の指定)
・HACCP計画(重要管理点の管理計画)
「業種別基準(一般衛生管理事項)」
・施設の衛生管理(清掃・保守手順)
・食品取扱設備類の衛生管理
・防虫・防鼠対策
・使用水の衛生管理
・廃棄物・排水の衛生管理
・食品等の衛生的な取り扱い
・衛生管理体制
・従事者の衛生管理
・従事者の教育・訓練
次はFSSC22000にチャレンジ
この企業様は、次は国際FSSC22000取得ににチャレンジし、OEM(他社ブランド品の製造)顧客を広く集めて、成長戦略の実現につなげたいとのことです。
株式会社エルシーアール 事業推進部 取締役部長 若色 宏幸