医療機器品質管理研修 実施事例 栃木県日光市 製造業 株式会社大日光・エンジニアリング様
- 研修名:医療機器品質管理強化研修(QMS省令、ISO13485医療機器品質マネジメントシステム)
- 受講対象者:医療機器品質に携わる選出メンバーの方々
大日光・エンジニアリング様とは
エルシーアールでは(株)大日光・エンジニアリング様(栃木県日光市、以下DNE社)からの依頼を受け、医療機器品質管理に関する研修を実施させていただきました。
DNE社様は栃木県を代表する企業であり、これまで大手電機メーカーからの信頼のもと、主に電子機器・基板等の設計・製造・実装を事業としています。国内および東アジア諸国にも拠点をもつなど、グローバルに活動されています。
今後、医療機器分野に事業を展開する
DNE社では、将来の日本の産業エンジンの一つでもある「医療機器」分野の機器製造を新しい事業分野として展開してゆく方針が出されました。しかしこれまで家電機器や産業機器分野の最終製品が多かったこともあり、特にマネージャー層の社員には医療機器に関する知見をこれまで以上に広げてもらう必要があり、この研修を行わせていただく運びとなりました。
マネージャーの多くが、医療機器製造を始めることに対し、「品質管理レベルが高く求められそう」「関連法律への対応が難しそう」などの不安をお持ちとのことでした。
ISO13485とQMS省令
医療機器の製造・販売には日本では厚生労働省が定めた「QMS省令」の知識が必要となります。QMS省令は国際規格ISO13485(医療機器の品質管理マネジメントシステム)を含む形で改正されました。(ISO13485:2016改正に合わせてQMS省令も2019年に改正されました。)
そこで今回の研修はISO13485医療機器品質マネジメントシステムの要求事項をベースに進め、日本独自のQMS省令を加えたカリキュラムとしました。
なお研修講師は、これまでにも栃木県内の企業様向けに医療機器の管理手法をサポートしている製造メーカーOBの講師が担当しました。
ISO13485要求事項の理解、QMS省令の理解
主に以下の内容について研修を進めました。
- ISO13485の基本理解
- 医療機器のクラス分け
- ISO13485/QMS省令制定の経緯
- 医療機器のクラス分類と許可制度について
- プロセスアプローチ、タートルダイアグラム
- リスク分析(プロセスFMEA)
- プロセスのバリデーション
- バリデーションプランの作成方法
- ソフトウェアのバリデーション
- 品質記録(帳票類)の作成と活用
- 規制要求事項について、関連法との区分
- 外部委託品への管理手法
- 顧客支給品管理
- 機密情報管理
- 医療機器ファイルの作成について
現在の現場での運用に対する改善提案も
この研修ではDNE様が実際に現場で行っている運用方法のチェックも兼ねました。受講者が各製造現場で用いている管理手法を発表し合い、QMS省令に適合するために問題点を共有し、現場改善活動として持ち帰ってもらうようにしました。
受講された方、担当者様からの感想
今回の研修を受講された方より以下のような感想を頂きました。
- 自社での製造管理ルール化をよりよくしてゆくために、またQMS省令に適合するために必要な管理手法がわかった。
- 社内での監査方法や注意しなければならない点などが明確にわかった。
- 製造フローやプロセスの見直しができた。
- 今後も、研修で得た知識を最大限活かし、日々の業務へ意識を高めて行動していきたい。
この研修開催に尽力いただいたDNE社の担当者様からは、「この研修を一緒に体験できたことは受講したことで社員間の共通認識が図られ、気づきや視点が広がり、良い刺激になった」「今後、自社でしっかりと継続していきたい」との感想もいただきました。