【事例】新入社員フォローアップ研修
対象企業:電子部品製造業
受 講 者:新卒入社 半年後の社員
研修内容:終日(1日間)実施 ※10月中旬
1.新卒入社半年間での社員の変化
今年の新卒入社の社員は11名。4月の入社から半年が経過し、一同配置された業務にも慣れ、一安心という時期である。
入社後の緊張感は、ゴールデンウィーク明けとともに大きく和らぎ、このあたりから心のゆるみと徐々にマンネリ化傾向が見られるようになってきた。会社から受け取った初回の給与の感激や感謝も薄らぎ、受け身的な業務の関わり方になってきた社員が増えてきた時期である。
2.忘れていたこと、気づいたこと・・・。
さて新入社員フォーアップ研修会が開催された。担当講師は、4月の新入社員研修時に関わった女性講師である。
研修がスタートし、冒頭は社会人の基本や基本的なビジネススキルの復習をメインに実施した。講師からの質問形式で重要な内容を受講生に投げかけ、回答してもらい、講師がポイントを簡潔に解説するという手法で研修を進めていった。中には質問されることをヒヤヒヤする受講者もいて、程よい緊張感が漂う時間帯が過ぎていった。
研修を進めると、仕事の中に活かすべき事柄にも関わらず、意外にも忘れてしまっていることが多いことに一同あらためて驚いた次第である。
また半年間の実務を経験した上で復習をしてみると、段取りの重要性など、新しい気づきが生まれる場面もあった。
3.本当の意味でやる気スイッチが入る
丸一日の研修を進めていくと、頭では分かっていても実行できていないことも多く、入社半年が経過してから本当の意味でやる気スイッチが入った受講者も多かったのである。
例えば、電話にでる際、社内の者に敬称をつけて電話をくれたお客様に対応してしまったりしていたことも思い出された。
その電話の時は、余り気にならなかったのだが、あらためて正しい受け応えを確認すると、赤面をするような気持ちとなった。
「今度からは、社内の者の名前をお客様からの電話中に呼ぶ際は、敬称をつけずに呼ばなくては!」
この件以外にも、研修中に、度々ハッとさせられる場面もあり、その度ごとにやる気スイッチが入っていった。
4.全社的に見た効果性
新入社員フォローアップ研修が終わり、受講生たちは各々の職場へと戻っていった。やる気スイッチが入った者、あらためて程よい緊張感で真摯に仕事に臨むようになった受講生も多数見られるようになった。
その結果、その上司たちにも適度な緊張感が生まれ、「管理職の役割」をあらためて認識して仕事と部下に関わる者が出てきた。正に新入社員たちが起爆剤となり、全社にいい影響を及ぼすようになったのである。新入社員フォローアップ研修会の副産物的な効果性の発揮である。
組織は、上司と部下が互いに影響を及ぼし合い、組織マネジメントの方針次第で、好循環にも悪循環にも展開するのである。
株式会社エルシーアール 代表取締役 荒井 浩通