ISO22000認証取得コンサルティング実施事例 菓子製造業 栃木県
ISO22000認証取得コンサルティング 実施事例 菓子製造業 栃木県
・コンサルティング内容:ISO22000:2018 食品安全マネジメントシステム
・コンサルティング人数:6名(HACCPチーム)
ISO22000国際規格を取得して競争力と訴求力を高めたい
現在、栃木県の菓子製造業のお客様に対し、食品安全マネジメントシステム・ISO22000の認証取得のためのコンサルティングを進めています。お客様はライフイベント(婚礼等)での贈答によく用いられる菓子類を製造されています。
菓子製造業界は、世界的に有名な大企業から街のお菓子屋さんまで品種、規模など多岐にわたり、競争の激しい業界でもあります。今回、コンサルティングのご相談を受けた企業の社長様は、「競争の激しい業界にいて、他社と差別化を図る必要がある。そのためには食品の安全性を強くアピールすることはとても大切であり、どうせなら国際規格であるISO22000を取得して他社に勝る競争力をもち、国内市場だけでなく世界中に自社商品を展開していきたい」との強い意向をもたれていました。
HACCPの国内法制化の背景
ISO22000はISO9001(品質マネジメントシステム)にHACCP手法(危害要因分析重要管理点)を加えた食品安全のマネジメントシステムです。HACCP手法とは、工程ごとに前もって食中毒の原因となる微生物や異物類の混入のリスク(危害)の要因を分析し、そこから特定した重要工程を管理することで最終製品が「安全」であることを証明する手法です。世界ではこのHACCP手法による管理が主流です。一方、日本の食品安全については食品衛生法に基づく管理のもと、「最終製品の安全性」に重きをおいた管理体制で行われてきました。しかしこの日本独特の手法は国際的には遅れているとみなされてきました。東京オリンピック開催の後押しもあって、2018年(平成30年)6月に食品衛生法が大きく改正され、全ての食品事業者がHACCP手法を取り入れることが義務付けされました。(小規模事業者は“HACCPの考え方”を取り入れた管理手法が義務付けられました。)
危害分析と前提条件プログラムの作成
コンサルティングは食品製造に長年にわたり携わってきた専門コンサルタントが担当しました。
ISO22000では製造現場においてふたつの管理が求められます。ひとつは製品個別に対する危害分析と重要工程の管理、もうひとつは「前提条件プログラム」と呼ばれる製造工場および従事者の衛生管理体制です。
まず前者に対してはHACCP手法(HACCPの7原則12手順)の教育と主要製品を対象とした規程・帳票類を作成しました。製造工程図の作り方、そもそも危害とは何か? 危害の種類は? 危害に対する管理手法はどんなことができるか? そのモニタリング方法は? 逸脱した場合の措置はどうするのか? 記録は何を残すのか? などを学びながら一つ一つ規程や文書類を作成していきました。
主に以下の手順書を作成しました。
・製品説明書
・製造工程フロー図
・危害分析表(重要管理点の指定)
・ハザード管理計画(重要管理点の管理計画)
前提条件プログラムの作成
次に後者である「前提条件プログラム」を作成しました。前提条件プログラムとはISO22000での呼び名で、「一般的衛生管理事項」などとも呼ばれることもあります。(厳密には違いがあります。)要するに、製品個別の工程管理の前に、製造する設備機械や環境・従業員の日々の衛生の維持が大切であるということです。具体的は5S活動をどう実践するかということになります。
お客様の工場では清掃・保守手順や手洗ルールなど従業員が守るべきルールが設定はされていました。しかしいくつかの点で不足もしくは手順が曖昧な項目がありましたので、それらの手順を改めて整備しました。それに対応する記録帳票も整備しました。
主に以下の手順書を作成しました。
・施設の衛生管理(清掃・保守手順)
・食品取扱設備類の衛生管理
・防虫・防鼠対策
・使用水の衛生管理
・廃棄物・排水の衛生管理
・食品等の衛生的な取り扱い
・衛生管理体制
・従事者の衛生管理
・従事者の教育・訓練
これまでのコンサルティングで出来上がった「製品個別の危害分析/重要工程管理」と「前提条件プログラム」はHACCPの根幹ともいうべきものです。現在、お客さまの工場では実際に現場でこの2つを適用し始めています。
これからの予定
今後のコンサルティングは、経営視点を含めたマネジメントシステム全体構築のフェーズに入っていきます。システムの運用も開始されますので、内部監査やマネジメントレビューなども行っていく予定です。システム構築が出来上がればISO審査機関による審査を依頼し受審する運びとなっています。エルシーアールではISO22000認証が取得できるまで完全フォロー体制でお客様を支援していきます。
HACCPチームメンバーの声
HACCPチームメンバーからは次のような感想をいただいています。
・これまで製品別の製造手順書はあったものの、どの工程に危害要因があるか考えたことがなかった。
・HACCP手法の具体的な方法がわかった。全製品への横展開も行わないといけない。
・従業員ひとりひとりの衛生管理に対する意識向上と日々のやるべきことの励行が重要であることがわかった
・マネジメントシステム全体の構築を急ぎ、早くISO22000認証を取得し世界中に発信していきたい。
続編はこちらになります。
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