【コラム】努力のタイミング
部下と話している時、ウケると思って言ったギャグを聞き返されて盛大にすべったことはありませんか?令和という新しい元号になった今、世代間の価値観の違いに「ジェネレーションギャップ」を感じる場面が増えていませんか?そこで今回は、私が感じる新たな視点での「ジェネレーションギャップ」についてお伝えします。
ジェネレーションギャップの意味
ジェネレーションギャップとは、世代間に生ずる知識・関心・考え方などが異なることを指し、世代格差とも言います。格差と聞くと、どちらかが良い・悪いというような意味を連想しますが、ジェネレーションギャップの場合は単に世代間の違いという意味で、どちらかが良い・悪いという意味はありません。
ジェネレーションギャップが起こる理由
常識とされる知識や社会情勢は常に変化していくもので、年齢の違いによって同じ物に対しても、認識や考え方が大きく変わります。
例えば、仕事中に紙にメモを取るのが当たり前だと思っていても、若い世代は紙にメモを取らず、スマホで写真を撮る方が効率的と考えています。それぞれ「当たり前」と思っているので、「なぜ?」というギャップが生まれてしまいますよね。
努力するタイミングが違う
最近お客様の悩みをお伺いすると、「部下が自分で考えて動かない」と、部下の指示待ち状態を嘆く上司は少なくないようです。実は、ここにもジェネレーションギャップがあります。若者は考えられないわけではなく、考えるタイミングが違うのです。
例えば学校での部活動をイメージすると分かりやすいかもしれません。バスケットボール部で正しいシュートフォームを身に付けさせる時、以前は上手な人のフォームを見て盗めという指導だったかもしれません。しかし今の若者は正しいフォームという正解があるなら、それを教えてもらってから、自分に最適なフォームにアレンジしていくのです。つまり、正解を知ったあとに考えるのが若者なのです。そのため、「とりあえずやってみて」「まずは自分で考えて」と言われると、「答えを知っていてわざわざ教えず試行錯誤するのって無駄では?」となります。結果、とりあえずやらないで待っていることや、いつになったら自分で考えるべきタイミングになるのか待つことになります。これを上司から見ると「若者は楽して答えをもらいたがる」「若者は考えない」という結論になってしまうのです。
でも、「見本があるからそれを見て資料つくって」、というように答えを知ったうえでの応用のための試行錯誤であれば、多くの若者は喜んでやるのではないでしょうか。努力するタイミングが、「正解を出すまでのプロセス」ではなく「正解を知ってから」の可能性もあることを考えても良いのではないでしょうか。
株式会社エルシーアール 事業推進部