【コラム】部下育成に欠かせない目標設定のポイント①
部下の育成にはさまざまな手段や方法がありますが、なかでも目標を設定することが重要だといわれています。「人事施策通りになかなか育成できない」と悩んでいる企業様の中には、もしかすると目標設定要素にマイナス面がある可能性があります。今回は目標を設定する重要性と目標を設定する際のポイントを記載したく思います。
① 部下育成における重要なポイント
部下を育成するうえで必要なのは、部下が円滑に業務を遂行できるように後方支援する意識を上司が持つことです。そのため、上司が部下に業務を一から教える傾向が強いと、部下は仕事をやらされている意識が強くなり、自分から行動しなくなってしまいます。自発的な行動を取れなければ、部下の育成は難しくなってしまうため、部下が自ら動けるような状況をつくるには、部下が仕事をしやすい環境の構築が必要になります。そのためには、部下との積極的なコミュニケーションで信頼関係を築くことが重要となります。上司から積極的に話しかけるだけでなく、部下の話を最後までしっかりと耳を傾ける(傾聴の考え)ことも大切になります。このことからは、「部下の心理的安全性が高まっている状態」を作り、部下育成において重要な要素になります。
② 評価目標を設置することが重要
企業の成長だけでなく、部下育成においても評価目標の設定が重要です。その理由としては、
a. 目標を達成することで部下自身が成長する
その際に重要なことは、目標を部下自身が設定することです。上司から与えられた目標は、どうしてもノルマ意識が強くなってしまい、成長につながりません。また、目標設定は「部下がどれだけ成長したか」を上司が判断する指標の一つにもなります。
b.モチベーションの向上
目標によりモチベーションが向上するタイミングには、「目標設定時点」と「目標達成後」の2つあります。目標設定時点のモチベーションの向上としては、「達成したい」 「成功したい」などの気持ちが生じ、モチベーションが向上する可能性が高いため、自 分が何をするべきかを理解できるようになります。目標達成後のモチベーションの向 上としては、成功体験によって「やればできる」という気持ちが芽生えやすくなり、高 いモチベーションを維持できれば前向きに取り組んでくれることが期待できます。
③ 目標を数値化・文書化させる
仕事をするうえで、「目標をたてる」のが重要なのは記載した通りです。部下に「最適なライン」の目標を設定させるのは上司の腕のみせどころで、部下の力量を見極め「これならできるだろう・・」という絶妙な計画を一緒に立てることが重要です。そのときは、部下に可能な限り数値化させ根拠とともに部下から発言させることです。低すぎる目標でも駄目ですし、特に若い部下ほど自分に自信がなく低い目標をたてるケースに陥ります。そのような時、上司が「君の力ならこれくらいの数値目標が達成できると思う。一緒に方法を考えていこう」と上手く導いていただくことにより、最適な目標が立てられると、部下にはいい意味で適度は緊張感が生まれます。その目標に対して、「いつまでに何をする」「いつまでに、ここまで達成する」といった文書化をさせておくことにより、部下本人にもやるべきことが明確になるし、上司の評価の際にも曖昧にならずスムーズな評価を行えることができます。
④ 会社と従業員が同じ方向を向くことが重要
企業と従業員が同じ方向性の目標を掲げて行動できるようになれば、組織の統率力や団結力が高まり社内の士気が向上します。従業員自身の目標を達成するたびに、企業の目標達成に近づくことは、経営層や人事担当者ほど改めて認識を深めておくことが必要と考えられます。
株式会社エルシーアール
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