【コラム】マネジメントにコーチングを活かす① 【コラム】マネジメントにコーチングを活かす①

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【コラム】マネジメントにコーチングを活かす①

 

 

 

 

 

 

第一回 価値観の共有

マネージャーにとってコーチングは必須なスキルだと言われるようになって、十数年経つように思います。ただ、その重要点は、部下の主体性を引き出す、部下に考えさせる、といった部下育成としてのコーチングであるように思います。最近、よく”1on1(ワン・オー・ワン)”という言葉を聞くようになりました。上司と部下が定期的に1対1で対話をするというものです。仕事の進捗確認や問題解決、そして部下の成長を促す、時には相談を受けるといった対話の場です。上司と部下の間の信頼関係を醸成する場だとも言えます。

しかし、コーチングというかかわり方(ここではあえてスキルとは言わず、有り様も含めかかわり方と書きます)は、単に部下の育成だけに留まらず、マネージャーのリーダーシップの向上やチームの強化にもつながるものです。
今回から6回に渡り、このマネジメントという視点でコーチングの活用について書いていきたいと思います。

第1回は、「価値観の共有」についてです。
マネジメントの話で「価値観?」と思われた方もいるかもしれませんね。マネジメントとは、人を活かして仕事をすることとも言えます。この「人を活かす」ということを考えた際に、その人が大切にしていることとつながることは、とても重要なことです。自分が大切にしていることを本当に大切にして仕事ができていると感じる時に、人はやりがいや充実感を感じることができます。

コーチングでは、クライアント(コーチが相対する人をそう呼びます)が大切にしていること、即ち価値観に沿って生きることが、充実した人生を送る上で重要なことだと考えています。
あなたは「何のために働いていますか?」と聞かれて、何と答えますか?
多くの人は、「生活のため」「家族のため」と答えます。その通りだと思います。しかし、それだけでしょうか?それだけで十分なのでしょうか?人生の中で仕事をしている割合の大きさを考えた時、人は自分の価値観に合った仕事や働き方をしたいのではないでしょうか。

では、あなたが大切にしている「価値観」とは何でしょうか? 
コーチングでは、コーチがクライアントの価値観を発見するのに役に立つやり方を使いながら、クライアントがどんなものに価値を置いているのかを明確にしていきます。

マネージャーがコーチングのかかわり方を知っていれば、メンバー一人ひとりの価値観を明らかにするサポートができます。そして、その価値観を尊重し、またその価値観と仕事を紐付けることで、メンバーの仕事への取り組む姿勢が変わります。ここで重要なのは、メンバーの価値観を明らかにする前に、マネージャー自身が自分の価値観を自分の言葉でメンバー全員に伝えることです。
マネージャー自身が、その価値観を大切にして、日々の仕事をしていることを伝えることで、仕事の意味づけが違ってくるでしょう。
その上で、メンバー一人ひとりの価値観を発見する、気づくサポートをしてみてください。もちろん、全員が同じ価値観である必要はありません。多様であるからこそ良いのです。
一人ひとりの価値観を全員で共有できれば素晴らしいです。

自分の価値観をマネージャーや職場のメンバーに受けとめてもらえているという感覚はその職場で働く上でとても大切なことです。さらに、一人ひとりの価値観は違っていますが、全員に共通しているところもあるはずです。その全員が共有できるところを確認し、それを大事にし、時には語ることで、職場のパフォーマンスや一体感が高まります。

一人ひとりの価値観を大切にする。これもコーチングのかかわり方です。
マネジメントにコーチングを活かす第一歩は、価値観の共有です。

次回は、「認知で目標を伝える」について書いてみたいと思います。(つづく)

              株式会社エルシーアール 人づくり講師 竹内 義博

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