【コラム】笑顔がはじまり
「小春日和で暖かいな」と体感する日があるものの、最高気温が一けた台の日がちらほら出てくると、いよいよ冬本番の寒さに身が引き締まる思いがします。GOTOトラベルも一時停止となり、例年とは少し様子が違う年の瀬になりそうですね、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
来年は、弊社もいよいよ30周年の節目を迎えます。私の社歴も、気づけば四半世紀に手が届きそうなくらいになってきました。30周年の記念事業にむけて準備をする中で、これまでの歩みを振り返る毎日です。懐かしくもありまた、今では当たり前だと感じることも当初は大いに悩んだこともあったなどと、改めて考える機会にもなっています。
さてそんな毎日ですが、先日偶々目にしたコラムに、「家族が病気となりそれを機会に地方に引っ越し田舎暮らしを始めた」というものがありました。とても感銘を受けましたのでちょっと一部をご紹介いたします。
そのご家族は、家族の病気が原因で気持ちまで苦しくなり、家族関係もぎくしゃくしていたそうです。その中で父親が一念発起、そして家族全員、田舎での生活をスタートします。そして沢山の人達に支えられ野菜農家として生活を始めました。毎日自然に触れ、地元の人達と触れ合い、そんな中で家族揃って農業に従事することができるようになっていきました。
そしてそれに伴い、徐々に家族の笑顔が戻っていったそうです。
その一番のきっかけとなったのは、最初に農業を始めた父親の変化でした。はじめのうちは思うようにいかないと感情があらわになりそんな自分を責めることも多かった父親でしたが、自分がイライラした時、なぜか決まって飼っている鶏が喧嘩をし出す、またメスが産んだ卵を粉々につついてしまったりするということに気づいたそうです。そこで考えた挙げ句「自分には感謝が足りない」と思い、「笑顔」のシールをつくり“ありがとう”というメッセージをつけて、家中に貼ったそうです。自分のために。そうしていく内、イライラすることは段々と影を潜めていったようです。そしてその父親の努力と、良い感情が家族みんなに伝染し、今では家族全員の健康と笑顔いっぱいの家庭を取り戻したとのお話でした。
笑顔で過ごすことの大切さは、誰しも一度は思うところであり、もちろん私もその一人です。自分の笑顔、相手の笑顔、それぞれが笑顔でいられたらどんなに毎日が楽しいことでしょう。
ところが現実は、なかなかそう簡単にはいかないことも誰もが経験していることではないでしょうか。
そこで自分について少し考えてみました。みなさんもそうかもしれませんが、私は慣れた相手には比較的、気兼ねなく自分でコミュニケーションがとれるほうだと思っています。ただ、今の私のように長く同じところで働いている方にとっては、気心が知れた相手といつも一緒にいることにより、ついつい慣れすぎた結果、「笑顔」どころか「我」が出てしまいがちではありませんか。慣れた間柄だからこそ注意しなければならない状況です。
だからこそ相手との親しき中にも「一歩置く姿勢」が大切なのではないかと改めて感じています。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉がこれに匹敵するかもしれませんね。
これまでの会社の歴史を知り、今後も皆さんと会社を守っていく社員の一人として、今できること、「感謝を持って、笑顔で接する」ことから始めてみたいと思うこの年の瀬です。
今年も大変お世話になりました。
来年もまた「良い年」をたくさん発見できるよう、感謝を旨に新年を迎えたいと思います。
株式会社 エルシーアール 管理部 課長 福田 典子