【コラム】しなやかに回復し、乗り越える力~レジリエンス~
立春を過ぎてもまだ寒い日が続きますね。しかし、日が伸びたりして、少しずつですが春への期待が高まっている今日この頃です。
しなやかに生きるためのレジリエンス
みなさんは「レジリエンス」という言葉をご存じでしょうか?最近、耳に入ることが多くなってきたように思います。以前はスルーしてしまっていたのですが、最近私の中では気になる言葉のひとつとなりました。
レジリエンスとはすなわち「うまく適応できる能力」「逆境力」を意味するそうです。「困難にぶつかっても、しなやかに回復し、乗り越える力」ともいうそうです。その「しなやか」というのがポイントですよね。現在のようなコロナ禍において、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか?
レジリエンスの起源
もともと、レジリエンスとは、第二次世界大戦下のホロコーストで孤児になった子どもたちを追跡調査する過程で注目されるようになったそうです。元孤児の中には、過去のトラウマや恐怖の記憶から立ち直れず、生きる気力を見出せずに不幸な人生を送っている人々がいます。その一方で、トラウマを乗り越えて仕事に就き、幸せに生きている人たちもいることが判明しました。
そこで調査を進めていくうちに、逆境を乗り越えた人たちは、困難な状況に圧し潰されることなく、「状況に準じて生き抜く回復力」を持っていることがわかりました。この調査結果により、レジリエンスという言葉が広く普及したとされています。
「夜と霧」から
そのエピソードを聞いて、私は「夜と霧」(ヴィクトール・フランクル著)を思い出しました。同じくホロコーストの時代、アウシュビッツ収容所の極限的な状況において生き残れる人の特徴は、どんな時でもユーモアを持っていたり、歌を歌ったりなど、未来に希望を持っている人が多かったということだそうです。これもまた「レジリエンス」と言えるのではないでしょうか。
もちろん、アウシュビッツ収容所という過酷な環境と、現代を生きる我々とは、その状況については雲泥の差はありますが、心の持ち方や信念の在り方など、このコロナ禍においてだいぶ参考になるのではないかと思います。
コロナ禍の今こそ
私は専門家ではないので、詳しいことはわかりません。カウンセラーの方に少し聞いてみたところ、レジリエンスに関係することとして「自己肯定感」があるそうです。いいときもあればよくないときがあるのが人ですが、自己肯定感が低い人は悪い状態の自分を否定的に捉えることが多いそうです。
要は自分にOKを出せるか出せないかということなのでしょう。良くない自分を受け入れることができる人はやはりレジリエンスが高いと言えるそうです。上手くいかないときにも「そういうときもあるか」と思えるよう、自分にも相手にも余裕を持つことが、レジリエンスを高めることに通じるのかなとも感じました。
上記以外にも検索をすると、いろいろと出てきます。「レジリエンスを鍛えるポイント」のような興味深い記事も多数ありますので、参考にされてみるといいかもしれません。
株式会社エルシーアール 管理部 主任 寺内 寿江