【コラム】脳科学的 運が良い人の正体とは?~脳科学者が考える運が良い人になる方法~
エルシーアールに入社し、何かと運の良さを発揮している熊倉です。先輩でもアポが取れない社長のアポが取れてしまう、一旦保留になった商談の帰り際に社長とお会いできて、商談が成立する。運が良いとしか言えない熊倉です。「なんだか最近ついてないんだよね」とこぼす友人には、絶対に話せないラッキーエピソードです。
過去のラッキーエピソード
この運の良さは、今に始まったことではありません。私が高校生の頃から始まりました。例えば高校3年生の進路を決める時です。進学を希望する大学は、推薦枠がない大学でした。しかし、教頭先生が入試担当の方とお知り合いで、推薦枠を特別に設けていただいたことがあります。さらに、大学院の入試の時では、日本で偏差値トップの大学の学生と私とで、どちら一方を合格させることとなり、なぜか私が合格するというミラクル。
社会人になってからも、たまたま仕事で成果が出てヘッドハンティングされることや、ある業界の日本のドンと呼ばれる方をご紹介され、栃木県の代表として連盟をまとめる役割を任されたこともありました。やはり運が良い。ただ、これではスピリチュアルな話で終わってしまいます。そこで、「運」について科学的視点からアプローチした『科学がつきとめた「運のいい人」』中野信子著を基に、運が良い人について考えてみたいと思います。ちなみに、著者の中野信子先生は、大学院時代のゼミの教授と共著の書籍を出版しており、私の調査データをその著書に使っていただきました。
脳科学的「運」の正体
運は一見、非科学的に感じますが、科学者の目で分析すると、科学的な根拠が見つけられます。そこで著者の中野先生は、まずランダムウォークモデルを用いて説明しています。例えば、コインを投げた時に、表ならプラス1進み、裏ならマイナス1進むと決めておきます。実際にコインを一万回投げ、その結果を座標軸にプロットします。すると、結果がゼロ付近に留まる確率はほとんど起きません。実際には、マイナス1万からプラス1万までの広い範囲を点は動く可能性があり、プラスやマイナスに少し偏ることがあります。これを、現実の人生に置き換えて考えると、人生の限られた期間における運の目の出方はどちらかに偏ってしまうことがあります。しかし、長期的に見れば圧倒的に運が良いだとか、圧倒的に運が悪いだという人も、滅多にいません。脳科学的にみると、コインを投げてマイナスが続くと不運、プラスが続けば幸運、と感じる特性が人間にはあるそうです。私たちの脳には、プラスやマイナスの連続が、偶然によって生じたに過ぎない、ということをなかなか受け入れることができないのです。
さらに著者の中野先生は、そもそも、「見えない」幸運・不運が無数にあるといいます。いつも通勤に使っている道に、100万円が入った封筒が落ちていたとしましょう。たまたまその日に限って、「今朝は早起きしたからひと駅分歩いていこう」と考えていつもとは違う道を通りました。もしいつもの道を通っていたら、100万円が入った封筒を拾ったかもしれません。いつもと違う道を行ってしまったため幸運を逃しますが、その自覚はありません。私たちは目に見える運だけに注目し、「運が良い」「運が悪い」と言ってしまいがちです。けれども、何倍、何十倍もの自覚できていない幸運・不運があり、運は公平なのかもしれません。
運が良い人になるには
しかしながら、それでも世の中は、運が良い人と悪い人に分かれているように見えます。どうしてなのでしょうか。運が良い人といわれる人たちを観察すると、共通の行動パターン、物事のとらえ方、考え方などがあるそうです。つまり、「単に運に恵まれている」わけではなく、平等に降り注ぐ「運」を生かす行動や考え方をしているのです。
では、運のいい人の行動パターンや考え方とは、どういったものなのでしょうか。運がいいといわれる人たちは、いろいろな意味で自分を大切にしています。これは割れ窓理論で説明できます。一枚の割れた窓を放っておくと、誰もこの地域に関心がないというサインとなり、やがてその地域全ての窓が壊されるという理論です。自分の価値観を大切にして、自分をていねいに扱っていると、周りの人も自分を大切に扱ってくれます。さらに、人は周りから大切にされると、恩返ししたいと思うようになります。自分を大切にする。他者を思いやる。よりよく生きているからこそ、運も彼らの味方をするのかもしれません。このことを肝に銘じ、より一層精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
株式会社エルシーアール 事業推進部