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【コラム】部下を成功させる方法①

 

 

 

 

 

 

1.上司である「あなた」に1番必要なこと

「部下育成」は、現代特有の課題なのか

「部下を育成する」というテーマは、大きな課題となっています。
『どうすれば、部下のモチベーションは上がるのか』
『どうすれば、部下が売上目標を達成できるのか』
『どうすれば、部下が自立型の社員になれるのか』 等々。

現在は特に「今時の若者」(ゆとり世代を中心に)をどのように育てていくか、ということが主な課題となっています。

しかし、「部下を育成する」というテーマは、ごく最近の課題なのでしょうか。おそらく、この記事に興味をお持ちになった方は、40代半ばから50代後半の世代の方が多いと思います。私もこの世代になりますが、「新人類」と言われた世代です。「一風変わった若者」「よくわからない若者」「上下関係を尊重しない」「自分中心」と言われ、どう対応したらよいかわからない・・、という世代でした。自分たちの世代の上司も「部下を育成する」ことに悩んでいたわけですね。

なぜ、このような「課題」がいつまでも続くのでしょうか。

それは、それぞれの世代が育ってきた「環境」の違いを上司、部下双方で受け止めずに、上司と部下の関係性を築こうとしたことが一因です。環境の違いとは、国の教育指針、家庭(親、祖父母)の影響、外国文化の影響、生活用品の進歩、などです。違う「環境」の中で影響を受けて成長しているわけですから、各世代や立場・経験(当然、同世代の中でも違います)によって考え方・捉え方・価値観・判断基準が違うのは当たり前です。この違いを「世代間ギャップ」というわけです。

「世代間ギャップ」は、時代の変化とともに今後も現れます。ゆとり世代が次世代である「○○世代」の部下育成をする時期が来るわけですから。

では、この「世代間ギャップ」を埋めるためには、何が必要なのでしょうか。

 

育成スキル向上の前に大切なこと

上司は、組織をまとめていく上で様々な知識やスキルを研修や自主学習で学んで、部下育成に役立てようと努力をしています。コミュニケーションスキルもその1つです。

「世代間ギャップ」を埋めるために必要なことは、ごく簡単な表現をすれば「コミュニケーション」です。双方が自分の意見や考え方だけを主張せず、相手の意見や考え方を尊重し、双方が相手の立場に立って考え、対話することです。言葉にすると簡単に思えますが、なかなか難しいことです。

上司に「部下とコミュニケーションが取れていますか?」と質問すると、2つの答えが返ってきます。1つ目は、「取れていない」。コミュニケーションの取り方がわからない、ということ。2つ目は「取れている」。この回答をした上司に「部下は目標達成をしていますか」と質問すると、「達成していない・・」という返答が多いのです。厳しい言い方をすると、「達成していない」ということはコミュニケーションが取れていないということになります。

両者とも「コミュニケーションスキル」を使ってはみたけれども、「うまくいかない・・」という状況です。

つまり、部下の本音(正直な気持ち)が聞けていないから
・部下の気持ちがわからない・・・
・改善点を修正できない・・・

では、なぜ部下は本音を話さないのでしょうか。

読者の皆さんの「本音を話せる人」とは、どんな人ですか。
メモ用紙に書き出してみてください。

いろいろな内容があると思いますが、まとめると
「私のことを理解してくれている人」
「お互いのことを理解し合っている人」だと思います。

お互いの趣味嗜好、性格、価値観、考え方、生き方、環境、今までの出来事をお互いに理解している関係性にある人です。

そこには、「信頼」と「安心感」があるわけです。上司と部下の関係性の土台に、「信頼」と「安心感」が築けていないと、どんなスキルを使っても効果は出にくいのです。

上司と部下は、意外とお互いのことを知りません。誰だって知らない人に自分のことを話そうとは思わないですよね。関係性の土台があったとしても、自分の大事なことは心に秘めます。親にも話せないことはありませんでしたか。それだけ自分のことを他人に話すことは、勇気がいることであり、怖いことなのです。

部下の趣味嗜好、性格、価値観、考え方、生き方、環境、今までの出来事を知るために重要なポイントがあります。

それは、自分が先に「自己開示」することです。自分の趣味嗜好、性格、価値観、考え方、生き方、環境、今までの出来事を徐々に話していくようにすることです。

「関係性の土台」を築いていけるかどうかは、上司として部下育成をするための最重要課題となります。(第2回につづく)

株式会社エルシーアール 人づくり講師 金島 浩明

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