【コラム】企業文化と人材育成④
4.主体性とチャレンジ精神について
私の企業人生での経験を通じて企業文化と人材育成の関係について感じた事や、現在にも通じる部分について6回に分けて掲載したいと思います。読者の皆さんの参考になれば幸いです。
第四回目は“主体性とチャレンジ精神について”です。
第二回のコミュニケーションでも書きましたが、自分で考える習慣により、上司に指示されなくても自分の判断で行動出来る自主性は自身の成長や仕事の成果に繋がります。
更に新しい事にチャレンジするには、自らの意思や行動に責任を持つ主体性が必要です。
チャレンジ精神は社会や環境の変化が激しい時代により重要になると思います。
自主性と主体性
自主性は、ある程度の進め方やルールが決まっていて、理解出来ている場合に、上司に指示される前に行動できることを意味します。あなたが部下を持つリーダーや上司の立場なら部下の自主性を育てる事は非常に重要ですが、余裕の無い忙しい場面では事細かく指示を出してしまいがちです。
部下は指示された事しか行動しない習慣になり、指示待ち部下を作り出してさらに忙しくなります。大切なのは部下への適度な裁量権の付与と報連相の徹底です。忙しい時でも指示する時に“君はどう考える?”との問いかけが効果的だと思います。
主体性は、自らの意志や判断で自らの責任に於いて行動出来る事です。
では主体性を伸ばすにはどうしたら良いでしょうか?
自分発の考えを言い易い、考えを頭から否定せず平等に議論出来る、チャレンジ出来る機会が有る、失敗を許容する、などの環境が必要だと思います。これらは上司を含めたマネジメント側の理解と積極的な環境作りが必要です。
主体性とチャレンジ精神
主体性とチャレンジ精神は部下の教育に大切な要素だと思います。新しい事にチャレンジ出来る人には主体性が有り、失敗を恐れずに目の前の課題や新しい事に挑戦し、失敗から学んで成果に繋げられる人材です。
身近な所にも、例えば改善のアイデアやユーザーに対する新たな気配りなども小さなチャレンジです。例え小さくてもその成功体験が自信になり、やがて大きなチャレンジに繋がるかもしれません。
周りに大きな変化を伴うチャレンジには反対派は必ずいます。ですが反対派にはそれなりの理由が有ります。昔、上司から言われた“反対意見は賛成意見より有難い”の言葉はいつでも忘れません。反対意見の理由を真摯な態度で聞き出せば、それが課題として抽出出来てそれをクリアして行けば完成に近づくのだから、賛成意見よりも反対意見が有り難いのです。反対の理由には新たな発見や気付きが有り、それをクリアする新たなアイデアや技術にも繋がります。
反対意見を避けずに積極的に聞く姿勢と反対意見を遠慮なく言える環境も必要です。賛成意見しか聞かないと慢心して誤りに気付けないかもしれません。
チャレンジに対する反対意見も含め公平な議論が出来、提案し易く失敗を許容する環境が有れば安心して思い切ったチャレンジが出来るでしょう。
実務ではチャレンジした時の失敗を許容する事は簡単ではないので、社内提案や研修で失敗の疑似体験とPDCA等の研修も組み合わせればリスクを避けた効果的な方法だと思います。
前職では部内でアイデア提案や新技術/新ビジネス提案を研修として実施し、成果をマネジメント層に報告した結果、業務として採用されたテーマも有りました。
次回の第五回は、ベテラン社員について書きたいと思います。
(つづく)
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