何を重視して取り組めばいいのか曖昧な組織
創業80年以上の歴史を誇るK社は、栃木県央部に位置し建設資材の卸売業を地域密着で行ってきた会社である。
建設業を営むお客さまとの人間関係を重視してやってきたが、ここ10年で社員の数も増え、各々が独自のやり方を取るようになり、組織として一定の統制を取ることが難しい状況になってきた。
社長は、「社員一人ひとりに営業方法を任せっぱなしで、会社としての営業戦略が見えていないのは問題だ!」と、将来に対しての取組に不安を持っていた。
体系的戦略システムのバランススコアカード
そんな時に、弊社の長年のクライアントでもある建設機械リース会社からこのK社の社長を紹介頂いた。
社長の話を聞き、K社に合った取り組みは、バランススコアカードという手法であると感じた。
そこで半年間にわたり、合計10回の営業戦略研修として、経営幹部及び営業部長を対象に、このプロジェクトに取り組むことになったのである。
この手法は、企業や組織のビジョンと戦略を「財務・顧客・業務プロセス・学習と成長」という四つの視点で指標化し、戦略の実行状況をストーリーのように見える化する仕組みである。
4つの視点が連携したストーリーが見えてきた
これにより、単なる売上や利益だけでなく、将来の成長力や顧客満足、内部プロセスの改善度合いも含め、全体としての経営状態が把握しやすくなるというメリットがある。
さらに戦略と日々の業務をつなげることができる。
ビジョンや経営戦略を「具体的な目標・KPI・施策」に落とし込むという枠組みであることから、現場の日々の仕事と会社の戦略を結びつけやすくなる仕組みである。
組織的には、部門間の連携と合意形成に役立つことができる。
このプロジェクト型研修に取り組んだことにより、4つの視点で全社・部門・チームの目標をつなげていくことができるようになった。
そしてこれまでは、部門同士が連携性のないバラバラな目標設定を行っていたものが、組織全体で同じ方向を向いた取り組みができるようになったのである。
的確なKPI管理を現場に落とし込む
研修で作成した戦略マップを定量と定性のKPIとして管理できることも取り組みやすいポイントであった。
具体的には、売上や利益だけでなく、顧客満足度、プロセス改善度、教育・研修など、数値化しにくい取り組みも含めてマネジメントしやすい点が、この仕組みの強みであることが受講生一同理解できた。
また出来上がったバランススコアカードが、実質的に運用できるようにするために、注意しなければならない点もあった。
・取組み指標(KPI)の数を欲張りすぎない
・戦略マップを「見える化」して共有する
またKPIの目標設定に関しては、「SMART」を意識して取り組んだ。
すなわちSpecific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound の5つの要素の頭文字を取ったもので、目標の明確化と実現可能性を高めるための考え方である。
こうして作成したバランススコアカードの戦略ストーリーとKPIを全スタッフに展開した結果、現場の社員たちには、「今、どの業務を優先すべきなのか」、「自分に求められている成長と学習の要素は何なのか」という点が、各々に認識できるように変わってきたのである。
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