全方位型の経営幹部養成講座ドキュメント
対象企業:S社/機械加工業(社員数160名)
受 講 者:経営幹部
研修内容:半日の研修を、毎月2回、半年間(計12回)実施
1.研修前の経営幹部は、ただの年配管理職?
創業は大正12年のトラック部品製造業。
研修会実施前のS社は、長い経営の歴史の慣習にとらわれる組織風土であった。
年功序列で、先輩社員は誰よりも意見が強い。
そんな訳で、経営幹部の実態は、マネジメント能力を有した存在ではなく、ただの年配者管理職=経営幹部という感じであった。
能力やビジネススキルも経営幹部として必要なレベルには到達しておらず、この会社の社長も満足がいかない状態であった。
2.全方位型のプログラムに全員が冷や汗
そんな中、弊社に対して経営幹部向けの研修依頼がきたのである。
社長曰く、「うちの会社の経営幹部は、基本的なビジネススキルレベルが本当に低い。他社の管理職以下かもしれない。また部下や組織を動かす際の考え方や、コミュニケ―ションスキルも弱い。これでは管理職への指導どころか、間違った独善的な考えを押し付けてしまうかもしれない。早く普通のレベルの経営幹部に向上させて欲しい。」とのことでした。
そこで弊社がS社に提示した研修プログラムが以下である。
・経営幹部としての意識と覚悟
・経営分析と戦略・戦術づくり
・部下を動かすマネジメントスキル
・経営幹部としてのタイムマネジメント
・目標管理とPDCAサイクル
・決算書の解読と基本分析
しかし、経営幹部たちは、初めて目にする言葉も多く、この経営幹部向けの全方位型プログラムに一同仰天してしまったのである。
まったく全員が冷や汗をかく始末のスタートとなったのである。
3.学習してみると、困難にあってきたことばかり
研修は毎月一回(7時間型)の計6日分となる内容であった。
本当に自分たちに理解できるのだろうか?
頭をよぎる不安を伴いながらの研修時間がやがて過ぎていったのである。
しかし研修を進めていくととても不思議なことが起こった。
この研修で学んでいることの多くは、参加している経営幹部たちがこれまでにして苦しんできた困難な出来事の解答ばかりであった。
研修を聞きながら、当時苦しんだ出来事が昨日のように思い起こされる。
例えば、会社の将来的な方向性を部下に質問された際の回答の骨子。
また部下がしでかしたミスに対し、感情に任せてどなってしまい部下のやる気を一気にそいでしまったこと。
組織の中でいつもくりかえされるミスの根本的な解消法。
経営幹部の口からは、「なるほど!こうやって対応していればうまく解決できたんだ。社員に嫌な思いをさせて退職されてしまうこともなかったかもしれないな。」と驚きとぼやきに近い感想が、多々聞かれるような状態であった。
4.一同の決心は強固なものに!
今回の経営幹部研修(全6回)を通じて、一番得られたものは、経営幹部としての知識やノウハウではなく、経営幹部としての自信であった。
これまで何十年もモヤモヤしていたものが、ようやくスッキリと捉えることができた。
そして経営幹部たちの決心は、より強固なものに昇華させることができた。
組織にとって経営幹部たちが自信と強固な決心をもって、会社のマネジメントに臨むことは必須である。
今後もS社発展のために経営幹部たちは、より一層経営に尽力していくことだろう。
株式会社エルシーアール
代表取締役 荒井 浩通