【働きやすい職場って!?】
社員の離職や採用難に直面している企業が多いと聞きます。採用したいが人材が大都市に流れてしまう、やっとの思いで採用することができた人材や将来を見越して育ててきた人材が辞めてしまう・・・。企業にとっては大問題であり、いつの時代も「人材」については頭を悩ますものだと思います。そういえば、よりよい職場・健全な職場であるために、「エンゲイジメント」「働きがい」「心の安全性」などキーワードが耳にすることが増えてきたようにも思います。
【健全な職場かどうかの視点】
職場のよしあしを考える上でいろいろな視点があると思います。私は社員一人一人が自分の存在を認められているならば、それぞれが力を発揮しやすい健全な職場ではないかと思います。
その意味で考えると、パートや派遣社員などの立場が弱い社員がどのように扱われているかどうかは重要だと思います。今年の4月から施行になる同一労働同一賃金のような法律に係る話とはまた別の次元の話で、立場を越えて自分の思いを言える雰囲気や機会があるかどうか重要だと思います。
【愚痴が表すものとは!?】
一人一人が思ったことが言えるという意味で、私が最近考えていることが「愚痴」についてです。愚痴と聞いて、直感でポジティブなものに感じる人はあまり多くないように思う人が多いように思いますが、みなさんはどうですか。実は私はあまりネガティブなものだとは考えていません。
一言で愚痴といっても様々な種類もあるし程度もありますよね。ただ、愚痴を言う人、愚痴を聞いてもらいたい人は、ちょっと心が疲れたり、葛藤や不満を抱えていたりするという意味では共通しているかもしれません。そういう時はやはり話をきいてもらいたいという人が多いのだと思います。
【自分一人で抱え込むよりも!】
もちろん、自分の中で負の感情をうまく消化できるといいのでしょうが、そんなに人間完璧ではないです。むしろちょっと心が疲れている人の話を元気な人が聞いてあげられるような雰囲気がその職場にあるかどうかだと思います。負の感情を自分一人で抱え続けるのは誰だってきついものです。これをそのままにしてしまうと、おそらくエンゲイジメントは下がり、不信感や不満感が膨らむ負のスパイラルに陥っていくでしょう。自己主張が不得意な人や立場が弱い人たちはなおのことではないでしょうか。
典型的な例が、奥様方の「井戸端会議」だと思います。今の素直な気持ちなどを吐き出し、自分なりにリセットしているのだと思います。私も職場でも家庭でも言葉にして外に吐き出すとスッキリします。
【互いを認めあう優しさ】
ただ、私もそうなのですが、愚痴に対してなにかアドバイスを言ってほしいわけではないのだと思うのです。それよりも「今の自分」を知ってほしい、認めてほしいということなのだと思います。
そもそも、誰もが話を聞いてもらいたいわけでもないとも思うのです。人によってはそっとしておいてほしい、さらっと流してほしいと考える人もいると思います。では、こういう人にはどうすればよいのか・・・。難しいところですよね。
これも、声を掛ける掛けないということだけでなく、あなたのその存在を気にかけている人がいるというメッセージが届いていればいいのだと思います。そしてそれは関係する全員でなくてもいいのではないでしょうか。
わかりやすく声を掛ける人も必要、声は掛けないけどさりげない行動で優しさを届ける人も必要、あえて声を掛けずに見守る人も必要。だって、全員で声を掛けるほうが不自然だと思いませんか?かえってプレッシャーをかけることにもなるのだと思います。
【みんなでサポートしあう組織へと!】
人様に迷惑をかけてはいけない、他責ではなく自責ということを子供のころから教えられているまじめな日本人は余計に自分の思いを自分の中に抱えがちなのだと思います。もちろん、そのこと自体は正しいと思います。しかし常に正しい人なんていないですし、少し息苦しくないですか。誰だって愚痴の一つや二つを言うときがあってもいいし、その方が人間らしくないでしょうか。
自分が愚痴を聞いてもらうときもあれば、相手の愚痴を聞くときもある。わかったうえで見守ったり、スルーしたりと、互いにサポートしあい、認め合い「オッケーサイン」を出す。きっとよりよく働きがいのある職場はみんなで創るものだと思うのです。みんながみんなに元気を与える職場こそが、「いい職場」なんじゃないのかなあと最近は思っています。
株式会社エルシーアール 管理部 係長 生方 優子