【コラム】評価についてーその4(「評価のレベルの統一」=「評価の横串を通す」)

 

 

 

 

 

 

いよいよ秋も深まってきました。先日仕事で日光のお客さんを訪問しました。そのお客さんは旧今市にあり、ナビで検索したところ裏道の案内が出てすんなり着くことができました。次のお客さんを訪問しようと日光街道へ右折しようとしたところ、平日にも関わらず紅葉見物の観光客で混雑し右折できませんでしたので、Uターンして裏道に逃れました。GoToキャンペーンが東京も出発も対象になったこともあり、例年と変わらないもしくは例年以上の混雑ぶりでした。

 

推奨行動は文章だけで十分か?

さて、前回までは「等級要件を仕事の内容ごとに具体的な推奨行動を文書化する」ことの重要性に触れてきました。

今回は全社的な評価のレベルの統一について書かせていただきます。先ほどの推奨行動は誰が決めるのが良いでしょうか?当然ながらその業務に精通し、等級要件と会社の人材ビジョンを理解している管理職が係長などの意見を聴きながら作成します。管理職が作成することで、その職場内での評価のレベルは同じになります。他の職場でも同じように管理職が作成します。人事部門は職場ごとの業務内容と推奨行動を等級別にまとめて一覧表にします。

一覧表にすると極端な評価レベルの違いはすぐに見て取れます。しかし、職務内容が違い、等級によって求められている推奨行動は本当に文章だけで調整できるでしょうか?

 

評価のばらつきを整えるために

多くの企業では評価は昇給や賞与の時期に合わせて行われます。評価は職場ごとに推奨行動の達成具合を絶対評価します。全社的には評価のばらつきを調整します。事業部単位や部単位に類似している業務の責任者が各管理者を招集し、人事も同席して等級ごとに一覧にした個人名と評価結果を基に、妥当性を確認します。この場では全員の行動の再評価はしません。ここで行われるのは、絶対評価のレベル合わせなのです。

 

評価レベルが徐々に統一されていく

例えば、2等級(主任や班長クラス)の絶対評価「5」と「4」の境目の社員を職場ごとに比較します。具体的に職場ごとの絶対評価「5の最下位の社員」と「絶対評価4」の最上位の社員を事業部や部単位で全管理職の目で確認します。ここでも等級ごとに仕事内容によって具体的な推奨行動が書かれていますので、他の管理職も評価ができ事業部または部の評価レベルは調整されます。全社の事業部または部の評価レベルも人事部門が事業部長または部長を招集し同様に行います。

絶対評価を調整することになった職場の管理者は自部門の推奨行動を全社の評価レベルと会うように書き換えます。これを毎年繰り返すことで、評価の横串がとおり、評価レベルは統一されます。

皆さんの中には、こんな面倒なことは“やっていられない”と考える方もいるかもしれません。こんな面倒なことをやる目的については次回に触れさせていただきます。

株式会社エルシーアール 事業推進部 大木 啓樹