栃木県にも緊急事態宣言が発令されました。やはり、当分の間は、不要不急の外出は避けたほうがいいですね。寒波も相まって、ますます「週末おうちじかん」は増えると思われます。
今、注目しているのは・・
私もこれまでオンラインセミナーの活用、乗馬、楽器、読書など、コロナ禍での過ごし方をいろいろと考えていますが、ここに来て「漫画」に注目しています。
どちらかというと、往年の名作です。ネットには、「地球(テラ)へ」が良かった!「火の鳥」が面白い!などの書き込みがあります。冬休み前、「さて、どの漫画を読もうか?オフハウスで大人買いもしくはツタヤで大人借りをしようか」なんて思ううちにズルズルと過ごしてしまい、休みに突入。ふと観たNHKの予告に「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」と出ていたので、すかさず録画しました。3時間×2日間放送の、超・大作でしたが。
ナウシカとはどんな作品?
アニメ映画が公開されたのは、まだ子供の頃です。当時の感想としては、ナウシカがキツネリスに指を噛まれ「怖くない」と言うシーンが印象的だったり、メーヴェに乗ってみたい!と思ったり、当然ながらその作品が訴える趣旨にはたどり着くことができず。高校生になり、原作も読みましたがその登場人物の多さ、設定の複雑さ、物語のスケールの大きさについていくことができず、またもや挫折。心残りがあった作品でした。
歌舞伎の演目にも選ばれる奥深さ
ちなみに新作歌舞伎版は、2019年12月公演、ナウシカ役は尾上菊之助です。原作全7巻を網羅しているということで、これは観なくては!と6時間、覚悟を決めました。漫画を忠実に再現しており、メーヴェで空を飛ぶのは圧巻でした(やってみたいですね~)タイムリーな公演、そしてタイムリーなタイミングでの放送という、制作陣の時流をよむセンスに唸りました。
内容は巨神兵を蘇らせるという「秘石」にまつわる、トルメキアと土鬼(ドルク)の争いに、主人公のナウシカも巻き込まれていきます。土鬼でも内部分裂が起きたり、大量の蟲が移動する「大海嘯(だいかいしょう)」が起きたりと、地球滅亡の危機にさらされていきます。「苦しみや悲しみ、そして死も人間の一部であることを受け入れ、汚濁と共に生きてゆくこと」というのが、ナウシカの選択、ということで物語は終わります。
何かを暗示しているのではと考えさせられます
物語の設定が「産業文明の出現から1000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、火の7日間と呼ばれる最終戦争によって滅びてから1000年余りが経過した未来の地球が舞台。都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化したのである。その後産業文明は再建されることなく永いたそがれの時代を人類は生きることになった」とのことです。コロナ禍である現代も、まさに「たそがれの時代」ですよね。アニメ映画公開当時は、他人事でしたが、今では身に染みています。
ぜひ不朽の名作をこの機会に!
宮崎監督をはじめ往年のヒット作には、その通りの世界になっているなあと思えることも少なくありません。やはり巨匠と呼ばれる作家には、そういった先を見通す力があったのではないでしょうか。
温故知新ではないですが、もしかして、不朽の名作に、このコロナ禍を乗り切るヒントがあるのではいのか?と勝手に思い立ち、これからどんどん名作を読んでみたいと思います。きっとリアルタイムだった子供の頃とは違う感動を覚えるに違いありません。
株式会社エルシーアール 管理部 主任 寺内 寿江