P-FMEA研修を行いました 金属加工製造業 栃木県県央部 

 

 

 

 

 

 


エルシーアールではIAFT16949(自動車産業向けの品質マネジメントシステム)のコンサルティングを行っています。またコアツール(IATF16949が推奨する品質管理手法)に関する研修も行っています。
栃木県県央部の金属加工業で行いましたP-FMEA研修(6時間の基礎編)についてご紹介します。

FMEAとは

まずFMEAとはFailure Mode and Effects Analysis の略で「故障モード影響解析」と呼ばれています。
量産において発生するかもしれない製品または製造工程での故障モードを予め設計段階で予測し、事前に対策を行うための品質管理手法の一つです。

例えば、金属を切断する工程において、刃の摩耗によって切断面に段差ができてしまい、不良品を生んでしまうかもしれません。そこで、予め刃の摩耗の発生度・影響度・検出度などから総合的にリスク(危険度RPN)を算出します。RPNが低ければ現在の管理方法で生産し、RPNが高ければしかるべき予防策を追加するなどが必要になります。この品質管理手法をFMEAと呼びます。FMEAには、製品設計段階で行う、D(Design)-FMEAと、生産工程設計段階で行うP(Process)-FMEAに大別されます。

<研修内容>1.FMEAの基礎

最初に「1.FMEAの基礎」について解説しました。
FMEAを行う目的の理解、実施するのはいつか、対象とするのは何か、分析様式はどのようになっており、どのような項目を記載すべきか、対策の優先順位などについて解説しました。

<研修内容>2.FMEAの実施方法

次に、「2.FMEAの実施方法」について特に手順と実施する上でのポイントを解説しました。
実際にFMEAを進めるのは、ある特定の管理職だけでなく、”現場”を熟知している人の参画が必要です。現場を知らない人が作成してしまうと、FMEAを行うことが目的にすり替わってしまい、”量産で不良を生まない”目的から外れていく傾向があります。発生度・影響度・検出度はその製造ラインでの過去の実績も勘案しながら独自に設定が可能であることなどを理解してもらいます。

<研修内容>3.FMEA演習

最後に「3.FMEA演習」を行いました。
演習テーマとしては2つ。一つはこの企業様で過去に起きたトラブル事例。もう一つは今後予定されている工程の条件変更。2グループに分かれてそれぞれのテーマで演習を実施してもらいました。最初は、どんな故障モードがあるかも文章にしづらい状況でしたが、時間が経つにつれてリスクのランク付け(危険度RPNの算出)にも慣れてきました。結果的に危険度RPNの高い故障モードに対して、実施する対策も明確になってきました。

研修を終えて

この研修を通してこの企業様では、FMEA手法の有効性を感じ取られ、研修を企画されたリーダーの方からは、新製品だけでなく工程変更にもFMEAを行っていきたいとのコメントもありました。

エルシーアールではFMEAだけでなく、その他のコアツール(APQP(先行製品品質計画)、SPC(統計的工程管理)、MSA(計測システム分析))についても研修を行っています。
また開発および生産工程の品質管理を強化したいニーズに対応した研修およびコンサルティングをご用意していますので、お問い合わせください。



                 株式会社エルシーアール 事業推進部 取締役部長 若色 宏幸