・コンサルティング内容:ISO22000:2018 食品安全マネジメントシステム
・コンサルティング人数:6名(HACCPチーム)
この事例はこちらの実施事例の続編にあたります。
マネジメントシステムの構築に取り組む
栃木県の菓子製造業様へのISO22000認証取得コンサルティングの後半は、“マネジメントシステム構築編”を行いました。
ISO22000は“2つのPDCA”がプロセスアプローチとして明確になっています。
1つは“HACCPのPDCA”、もうひとつISO9001などでなじみのある“マネジメントシステム全体としてのPDCA”の2つです。前半のコンサルティングでは“HACCPのPDCA”でした。後半は“マネジメントシステム全体としてのPDCA”の構築になります。言い換えればHACCPのPDCAは「現場」より、FSMS全体のPDCAは「経営層を含めた」PDCAとなります。ボトムアップとトップダウンの両方向からのシステム構築と運用が強い組織作りの要素となるわけです。
「ISOとは」から勉強会を開始
これまでISO9001の経験もないということから「ISOとは」「マネジメントシステムとは」の基本の勉強会から開始しました。ISOの研修というと難しい言葉での規格解説が大手のセミナーなどでも開かれています。普段ISOに慣れていない人の多くは「何を言っているのかわからない」との感想を聞きますが、エルシーアールでは「平易な言葉」と具体例を用いることで肚に落ちる解説を行っています。
要求事項にそった規程・帳票類を整備
FSMS構築ではHACCP手法およびPRP(前提条件プログラム)のほかに、要求事項から以下の文書化に対応する必要があります。もちろん「食品衛生マニュアル」がその中心となります。
- 食品安全方針
- 適用範囲
- 組織の課題
- リスク及び機会の取組み
- 責任と権限
- 内部・外部コミュニケーション
- 力量の証拠
- 緊急事態の対応
- 食品安全目標
- 内部監査
- マネジメントレビュー
- 是正処置
モデル文書をベースにした文書を作成
上記の文書類に対してはエルシーアールのもつモデル文書をベースに構築を進めました。
食品安全方針は定められた項目を含むものとして掲げることが求められており、社長様の承認が下りるとすぐに社内に掲示され、従業員に周知がされました。
食品安全目標は「クレーム件数削減」「衛生教育の実施回数」「異物混入の削減」などが挙がり、部門ごとに目標が割り振られました。
内部監査については本来、マネジメントシステムについての監査と製造現場の衛生管理に関する監査と両方が必要になります。多忙ななか時間をやりくりできるようチェックリストを作成しました。また内部監査の進め方および報告書の作成方法も学んでいただき、HACCPチームメンバーには内部監査の力量がついていることを確認したのちに、修了証を発行させていただきました。
4か月でマネジメントシステム構築
このマネジメントシステム構築編は約4か月をかけて構築し、コンサルティング途中より運用も始まりました。
このお客様ではこれまで従業員教育が十分でなかったのですが、今回HACCP導入を機に月に1度の従業員教育が定例化されるなど、食品安全に対する意識が大きく変わってきたということです。