とちぎHACCP認証取得コンサルティング 実施事例 菓子製造業 栃木県

 

 

 

 

 

 

・コンサルティング内容:とちぎHACCP
・コンサルティング人数:6名(HACCPチーム)

とちぎHACCP取得で食品安全をアピールしたい

栃木県央でお菓子を製造している企業様より「とちぎHACCPを取得したく自力で準備を始めたがよくわからないので教えてほしい」とのお問い合わせをいただき、とちぎHACCP認証取得の指導サポートをさせていただきました。

この企業様では、栃木県以外にも商圏を広げたいことと、OEM(他社ブランドの製造委託)の委託元の信頼を高めるためにも、まずは地元栃木の“とちぎHACCP”が必要だとの経営判断になり取得することになりました。

 

とちぎHACCPとは

とちぎHACCPとは正式には「栃木県食品自主衛生管理認証制度」といい、栃木県が定めた制度です。国際標準であるHACCP(危害要因分析・重要管理点)手法を取り入れた基本的な衛生管理を行っている製造施設を認証する制度です。ローカルな名称ですが、中身は食品安全の基本を網羅しており、“取得施設”=“食品安全を担保できる”といえる優れた制度です。


自分達で始めたものの

そもそもこの企業様はHACCPの法制化を背景に、自力でとちぎHACCP取得活動を始めたそうですが、2つの理由でとん挫していたそうです。

1つ目の理由は、現場での生産活動を優先せざるを得ないため、取得活動は後回しになり計画通りに進まなかったのです。特に一般衛生管理事項は項目が多いため自力では壁が高いと感じられていました。

2つ目の理由は、作成した手順や資料が“はたしてこれは正しいのか”という疑念が解消できなかったとのことです。また施設が古いため、ハード面で認証基準を満たせるのか大きな不安だったといいます。

これらを自分達で悩む時間はもったいないし、外部コンサルタントの外的プレッシャーも従業員を動かす駆動力だと社長様が判断され、エルシーアールに依頼をいただきました。


お金をかけない交差汚染防止策(ゾーニング)

特に不安に感じていたのがゾーニングです。従来は商品を加熱し殺菌したあとの包装までに汚染区域を通過せざるを得ない構造でした。交差汚染の元ですので何らかの対応が必要です。

そこでコンサルタントから、お金をかけない汚染防止方法を提案し実践しました。具体的にはチェーンの設置と、床に区域を示すテープをひくことです。この方法でもよいのです。交差汚染を防ぐゾーニングは何も費用をかけて部屋を分けたりパーティションを設置することは必須ではありません。(ただし台車などの行き来はないようなソフト的な工夫は必要です。)


成果物

今回のコンサルティングを通してアウトプットとして主に以下の手順書を作成しました。これらはとちぎHACCPの「共通条件」にあたります。

・施設図面(ゾーニング)
・製品説明書
・製造工程図
・危害分析シート(重要管理点の指定)
・HACCP計画(重要管理点の管理計画)

さらに「業種別基準」に該当する一般衛生管理事項も整理しました。

・施設の衛生管理(清掃・保守手順)
・食品取扱設備類の衛生管理
・防虫・防鼠対策
・使用水の衛生管理
・廃棄物・排水の衛生管理
・食品等の衛生的な取り扱い
・衛生管理体制
・従事者の衛生管理
・従事者の教育、訓練


県は企業にとっての“応援団”

とちぎHACCPは栃木県が支援してくれる制度です。つまり県の認証機関は企業にとっての応援団的存在。今回もとちぎHACCPの審査では文書ばかりでなく製造現場の衛生管理方法について様々な点で指導をしてくれました。もちろん、とちぎHACCPの認証は取得できました。

この企業様は、次は“世界に商品を届けたい“との夢をお持ちです。世界を舞台に戦うためにもHACCPの国際規格「FSSC22000」か「ISO22000」を取得していきたいとのことでした。

                               株式会社エルシーアール 事業推進部 部長 若色 宏幸

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