“働かないおじさん”にならないための社員研修 栃木県県央部

 

 

 

 

 

 


・人数:約10名
・時間:6時間、1回

法整備も進むベテランの活躍

「ベテラン従業員のための後輩指導力の向上」研修を栃木県県央部の製造業にて行いました。対象は40代後半から50代のベテラン社員さんたち。言うなれば”働かないおじさん”にならないための研修です。10名のベテラン社員さんに集まってもらって研修を行いました。

人口減少時代に入り特に中小企業では若い人材が採用できずに困っているとの悩みを多く耳にします。一方、子育てが終わったベテラン社員(40代から50代)になると、役職定年や定年退職のことを考えるようになり、徐々に仕事への熱意が落ち「働かないおじさん社員」予備軍になってしまうという現実があります。しかし、今は50代・60代でも十分な体力もあるはずなので、「引退」なんてまだ早いのです。むしろ会社ではベテランのスキルや人間性を「貴重な経営資源」として活用していく時代になります。法整備も進み、70歳までの就業機会の延長が努力義務とされました(令和3年4月より施行)。

働かないおじさんの特長

まず働かないオジサンの特長にはこのようなことが挙げられます。
・新しいことを身に付けない、身に付ける気がない
・動かない、仕事に身が入らない、惰性でお仕事
・過去の役職(課長だった、部長だった)がつきまとい上から目線が続く
・チャレンジしろと若手に言うくせに自分はノーチャレンジ
こんなベテラン社員に若手社員からは「真剣にやってくださいよ」「新しいことを少しは覚えてくださいよ」「元上司にはいいづらいなあ」と思っています。でも面と向かっては言い出せないのが普通です。

ベテランの強みは経験

そんなおじさん、いやベテラン社員には”経験”という強みがあるのですが、それに気づかずに漫然と仕事をしている社員も多いのではないでしょうか。会社としてもその強み・ノウハウを若手後輩に伝承・継承しないのでは宝の持ち腐れといえるでしょう。

研修カリキュラム

この研修は大きく3つのカリキュラムで構成しました。

一つは、自分の「働かないおじさん度」のチェックです。日ごろの行動や思考やモチベーションをチェックシートを用いて自己分析します。

二つ目は自分のキャリアを通して自分の強みを再認識してもらいます。入社からの職種、成功や失敗、得られた経験などをワークシートを用いて自分を再発見してもらいます。

三つめはその強み(=会社の強み)を若手後輩にどううまく伝えていくかの指導法の基本です。いわゆるコーチング手法の基本です。「先輩の背中を見て学ぶ」時代は終わったといいます。今の若手にはベテランは寄り添って丁寧に対応し悩みを聴き聞き、自分で答えを引き出せるよう指導することが大切です。若手社員と関係性が深まれば離職の防止にもつながります。(コーチング手法は決して新しい指導法ではありませんが、まだまだ一般企業で浸透していないのが実状です。)

受講者の声

この研修を通して参加者は、まだまだモチベーションを維持して頑張ろうという意識がついたようです。また自分の強みを再認識したようでした。これまでティーチング主体の指導法にコーチング手法をミックスした指導法を今後、現場で活用したいとの意見をいただきました。

かくいう私も立派なオジサン年齢(50代)です。
研修講師を行う以上、「自分は働かないオジサンになっていないか」と矢印を自分に向けています。お腹周りばかり成長していてはダメです。できるだけ新しい情報を取り入れ読書時間も増やし、自分を磨いていこうと思う毎日です。

                  株式会社エルシーアール 事業推進部 取締役部長 若色 宏幸