【コラム】わたしの考えるおもてなし(社内からお客様へ) 第3回

 

 

 

 

 

最終回 ~「ONE TEAMへ ~強みを活かすチーム~」

前回のコラムでは、お客様へのおもてなしの向上にむけて、内側(自分)の心を整えることの重要性をお話させていただきましたが、最終回は、これからの時代に生き残る、最強のおもてなしチームづくりに大切なダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受容・活かす)の心得について私なりに考えてみたいと思います。

これからのチームは多様性(ダイバーシティ)をいかに活かすか(インクルージョン)が鍵

ラグビー日本代表のスローガンとして昨年度の流行語大賞を受賞した「ONE TEAM」。このONE TEAMのONEは単に同一(似たもの)という言葉で表すようなことではないと感じます。そのチーム内には、多くの外国人選手もおり、様々な背景や価値観、経験も違うメンバーから成り立っていました。それらは、「違い」まさに「多様性」を互いに理解し、認め合い、そして、受け入れ、1つの目標(ゴール)に向かって結果を出すための心の結束のOne Teamでした。最後には、その一見、凸凹にみえたチームも、ラグビー経験のない素人の私でも熟成した一体感を感じた試合であり、その様子が私達を感動へより結び付けたようにも感じました。
これからのビジネスにも求められる多様な(性別や年齢、国籍、文化、働き方・価値観など、さまざまなバックグラウンドを持つ)人材の活躍推進は、単に、少子高齢化に伴う、労働力の確保ということではなく、誰もが活躍できる職場環境づくりに取り組む意識を熟成させると感じます。企業が生き残っていくための人財戦略とも感じます。お客様のニーズが高度で様々な想いがある中、また、マニュアルが効かない時代を迎え、日本が、世界がその対応にさ迷う中で、多様な経験や知識をもった人材との共存は、環境変化へのスムーズな対応に役立つことはもちろん、ひいては、企業や社会の持続的な成長にも欠かせないと感じます。

違いがあるから価値がある、学び合える、楽しい。強みを生かすチームに大切な心得

現代経営の父・マネジメントの発明者と呼ばれたピータードラッカー氏。人間の幸せをマネジメントの思想の根底におき、いかに組織の中で人が活かされ、価値を生み出し、幸せになるかということを説いていますが、著書:「マネジメント」の中にもその大切なヒントや勇気をもらえる言葉があると感じます。
(1)人が成果を上げるのは強みによってのみである。『人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。強みに集中し、卓越した成果をあげよ。』
(2)組織の目的は、人の強みを爆発させ、弱みを無くす(昇華)こと。
『人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。人とは費用であり、脅威である。しかし人はこれらのことゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。』

まさに、強みに集中するからこそ、組織も個人も高い成果を上げ、価値が生まれるということです。皆さんのチームではいかがでしょうか?まさに、人を活かすとは、強みを生かすということなのかもしれません。そのためにも、私達は、いま、現場の問題としてすぐある、性別や文化や考え方、言葉・働き方等の違いからくる「心」のバリアーをまず除き、社内の内側から、オープンマインドと柔軟性をもって、美点をみつめ、リーダーも管理型ではなく支援型のリーダーシップで、方向性を示しながら、チャンスを引出し、鼓舞し、現場でフォローしていく意識が大切と感じます。真のお客様満足は、内側からの人への本物のリスペクト、相互理解、強みが認められ活かされるスタッフ満足、社内満足が根底にあるチームこそ、継続的に成り立つのではないかと感じます。(おわり)

株式会社エルシーアール 人づくり講師 篠原 優子

 

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