【コラム】企業文化と人材育成③

3.右脳と左脳について

私の企業人生での経験を通じて企業文化と人材育成の関係について感じた事や、現在にも通じる部分について6回に分けて掲載したいと思います。読者の皆さんの参考になれば幸いです。

第三回目は“右脳と左脳について”です。

みなさんもご存じだと思いますが、右脳と左脳では働き方が異なると言われています。
この違いは仕事のやり方にも関わりが有ります。
右脳と左脳の働き方を理解する事で仕事での活かし方について書いてみたいと思います。

 

右脳と左脳の働き方

右脳は、知覚・感性を主としたイメージやひらめき、感情、創造性など五感認識をもつとされます。
音楽・美術など感性を必要とする分野では右脳が働きます。
仕事では全体を俯瞰的に処理したり、素早い処理も得意です。アイデア発想やマネジメントなどに向いています。

左脳は、思考・論理など文字や言葉から認識する言語機能を司ることが分かっています。
言語、計算、論理など理性的で論理的で、仕事では業務を直列的に処理することが得意です。
理論的な思考や科学的な分析力に優れた特徴があるそうです。

学校教育は暗記主体なので日本人は幼少期から左脳を頻繁に使います。左脳が動かすのが右手なので
右利きが多いらしいです。左脳に比べて右脳はあまり使われないので左利きが少ないと言われています。
日本人は一般的に計算、論理、理性的など、現実的で堅実な左脳型の人が多いといえます。

 

仕事での活かし方

現実的で堅実な左脳に加えて、右脳が活性化すると仕事の総合力が上がると考えられます。
例えば、
・業務を直列的な処理(左脳)から複数の業務を並列的に処理出来(右脳)、効率が良くなる。
・全体を俯瞰的に処理出来る(右脳)為、全体を見るマネジメントに効果が有る。
・指示通りの堅実なルーティンワーク(左脳)だけでなく、ひらめきやイメージからアイデア発想(右脳)により新たな提案に繋げられる。
・直感力や判断力(右脳)により、効率的に課題の対策や問題解決が進められる。
    
具体的には企画などで斬新なアイデアの発想は右脳、その課題整理や妥当性の検証は左脳、全体ストーリーは右脳でイメージとなります。どんな仕事でも発生する不具合や課題を解決する場合も不具合や対策のイメージは無意識に右脳を使っていますので右脳を活性化する事で効率が上がると考えられます。

右脳を活性化する方法として一般的には、美術や音楽、様々な脳トレ、左手の作業、運動の習慣化、自然で五感を刺激などが有ります。適度な気分転換も有効でしょう。
前職では若いエンジニアがクリエイティブに右脳を使う機会を作ろうと新商品/新ビジネス提案の研修を実施しました。受講者の“楽しかったが頭が疲れた”との感想に右脳を沢山使えたかなと思いました。

皆さんは右脳型、左脳型、もしくはバランス型でしょうか?
右脳と左脳の働き方を意識すると思考特性の把握や気付きが得られ、仕事に活かせる事が有ると思います。

話は変わりますが、ホンダ創業者の本田さんは典型的な右脳役、副社長の藤沢さんは経営面で支えた左脳役、まるで一つの頭脳の様に経営していたのかなと想像してしまいます。

次回の第四回は主体性とチャレンジ精神について書きたいと思います。

(つづく)


株式会社エルシーアール コンサルタント 坂本 靖則


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