【コラム】マネジメントにコーチングを活かす⑤

 

 

 

 

 

 

 

第五回 行動を起こす②


コーチングというかかわり方を、単に部下の育成だけに留まらず、マネージャーのリーダーシップの向上やチーム力の強化などマネジメントに活用するという視点でのコーチングの活用について書いています。
第5回は、「行動を起こす②」です。

前回は行動を起こそうとする時に、心の内の声「サボタージュ」を退散させることを紹介しました。
グループレベルでのサボ退治の問いかけ、「自分たちのグループ・組織は本当にこのビジョンを実現したいと思っているのだろうか?」という問いかけについて書きました。

今回は、質問によって行動を起こすやり方をご紹介します。部下や自組織が何かに取り組むことにしていたが、なかなか行動に移らない。そんな時に効果的な質問を状況別に紹介します。
チームでのミーティングなどで、メンバーたちがこんな状況になっているなと感じたら、投げかけてみてください。

必要以上に不安を感じて前に進めない時
・うまくいかなかったとして、それでどうなるのだろう?(致命的な結果とはならないことに気づく)
・失敗したら、次に何をすればいいのだろう?(失敗から学び、次に進むことができることに気づく)

悲観的に感じて前に進めない時
・一体何が我々をこんな気持ちにしているのだろうか?(思い込みや見方に嵌っていることに気づく)
・もし一歩踏み出して、うまくいったら、何が起きるのだろうか?(成功したら、さらに高みに行けることを想像する)


計画を実行に移さない時
・みんながやり遂げるために、必要なものは?(具体的に足りないリソースを明確にする)
・我々は何があれば決断できるのだろうか?(具体的に足りないリソースを明確にする)

そして、核心を突く質問があります。
それは「あなたは(このグループは)本当にそれをしたいと思っているのだろうか?」
これはかなりぐさっと刺さります。

質問によって、相手(またはグループメンバー)が自分の内面を見ることで、自分(または自分たち)は前へ進みたいんだという気持ちを再確認することを促します。その結果、「前に進まない」ことを決めることもありです。

ただ、ここまで紹介した質問をする際に、覚えておいてほしいことがあります。
それは、メンバーたちに試すような言い方をしないこと。自分自身に対しても、その質問を投げかけるように話すことです。そして、質問を投げかけて、すぐに答えを求めないこと。「沈黙」も大切な時間です。誰かが口を開くまで待ちましょう。

最後にもう一つ、核心を突く質問を紹介します。
「やめたらどうだろうか?」

次回は、「失敗から学ぶ」について書いてみたいと思います。

 

(つづく)

              株式会社エルシーアール 人づくり講師 竹内 義博

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